105円挟み、レンジ取引継続の可能性も(10/27夕)

27日の東京市場は、ドルが小安い。値幅は狭いが終盤にかけて、やや下げ幅を広げる展開をたどっている。

105円挟み、レンジ取引継続の可能性も(10/27夕)

105円挟み、レンジ取引継続の可能性も

〇ドル円、104.80-85で寄り付いた後に底割れすると夕方にかけ104.65を値を下げる
〇米中対立に再び注目、米国が台湾への武器売却や中国報道機関に対しての「宣伝組織」認定など
〇次期大統領候が民主党候補、上下院ともに民主党が制する「トリプル・ブルー」の可能性も
〇本日発表の10月消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数などを注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.30-105.10

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は、ドルが小安い。値幅は狭いが終盤にかけて、やや下げ幅を広げる展開をたどっている。

ドル/円は104.80-85円で寄り付いたのち、当初は底堅い。しかし、底割れすると、夕方にかけては104.65円近くへと小幅に値を下げてきた。前日に650ドル安と大きく下落したNYダウは、時間外の先物取引で反発に転じたものの、100ドル程度の上昇にとどまったことから、ドル買いではなく下支え要因程度に終わっている。16時現在では104.75円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「トルコ情勢」と「米中の対立」について。
前者は、係争地ナゴルノ・カラバフ地域をめぐりアルメニアとアゼルバイジャンが戦闘を続けており、これが隣国トルコにとっての懸念要因に。25日には米国務省の仲介で停戦合意したものの、遵守されず、数時間後に合意は破綻している。トルコリラの売り要因となっていた感を否めない。また、風刺画問題に端を発したトルコとフランスの対立も、さらに先鋭化され、こちらもトルコリラの弱材料になっていた。対円では13円割れのレベルで推移するなど、史上最安値圏をいまだ脱却できない展開が続いている。

対して後者は、米大統領選まで残り1週間程度となるなか、再び「米中の対立」がクローズアップされてきた感もある。問題となっているのは大きく2つで、ひとつは「米国による台湾への武器売却」。地対艦ミサイルを23.7億ドルで売却することが明らかになるなか、中国外務省はロッキード・マーチンなど関連する米企業に制裁を科す方針を示していた。また、米政府が先週、中国報道機関6社を新たに「宣伝組織」として認定したことに対し、中国が対抗措置をとったことも話題に。ABCテレビやロサンゼルス・タイムズ紙など米メディア6社に対し、中国国内での活動の詳細を7日以内に書面で報告するよう命じたという。

<< 欧米市場の見通し >>

次期米大統領が民主党候補、上下院ともに民主党が制するという、いわゆる「トリプル・ブルー」の可能性も否定出来ない、11月3日の「米大統領選」そして「米上院選」が当面の注目材料。株式市場では、重要イベントを前に調整ともいえる株売りが先行する展開だ。今後も株価はやや冴えない動きが続くとの見方が少なくなく、為替市場においては、そんな米株安がドルの上値を抑制する可能性が取り沙汰されている。
一方、それとは別に「英とEUの通商交渉」ならびに「米の新型コロナ経済支援協議」の行方についても、引き続き要注意。うち、後者は昨日もカドローNEC委員長が「合意には一段の妥協が必要」と述べるなど、厳しい状況に大きな変化はみられないが、予断を持たずに臨みたい。

テクニカルに見た場合、21日に過去1ヵ月程度のレンジ下限105円レベルを割り込み104.35円まで下落したものの、やはり今回も下値トライは「ダマシ」だったようだ。少なくとも、ドルの下値トライが一旦仕切り直しになったことは間違いない。前述したように、注目の米大統領選まで残り1週間であるということを考えると、105円±50銭といったレンジ取引がしばらく続く可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、10月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札なども実施される見込みだ。また、米企業決算発表も多く、そちらを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.30-105.10円。昨日欧米時間に105円を一時上抜くも、高値は105.05円まで。そんな同レベルが新たな抵抗として意識されている。超えると、移動平均の21日線が位置する105.35-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値104.65-70円を含めた、104円半ばの攻防にまずは注目。下回るようなら、21日に記録したドル安値104.35円が次のサポートとして意識されそうだ。

105円挟み、レンジ取引継続の可能性も

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