国情勢注視、他の注目材料も多く波乱含み(10/15夕)

15日の東京市場は、ドルが強含み。値幅こそ小さいが「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い印象だった。

国情勢注視、他の注目材料も多く波乱含み(10/15夕)

英国情勢注視、他の注目材料も多く波乱含み

〇ドル円、105.05レベルへ小緩むも105.30-35まで上昇し欧米時間を迎える
〇ムニューシン米財務長官とペロシ下院議長が電話協議するも合意には至らず
〇EU通称交渉は本日が期限となっているが交渉延長の可能性も
〇本日はNY連銀製造業景況指数や同フィラデルフィア連銀景況指数など発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.80-105.60

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場は、ドルが強含み。値幅こそ小さいが「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い印象だった。

ドル/円は105.10-15円で寄り付いたのち、日中安値である105.05円レベルへと小緩むも大台は維持。ゴトー日ということでの仲値需給要因なども取り沙汰されていた。
そののち、下値の堅さを確認したあとはドルが強含みとなり、夕方には日中高値の105.30-35円まで上昇。16時現在でもドルは日中高値圏を維持したまま、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米の追加経済対策案」について。
前者は、WHOの主任科学者が「世界でコロナ死者が増加する恐れがある」などと警鐘を鳴らすなか、国内での感染拡大を懸念したフランス大統領がパリなど9都市圏における「17日からの夜間外出禁止」措置適用を発表している。欧州の一部においては、いわゆる感染第2波を受け、時計の針が数ヵ月戻っている感を否めない。そうしたなか、ロシア当局が「2種類目の新型コロナワクチンを承認」と発表したものの、薬効を疑問視する声も多く、あまり材料視はされなかった。

対して後者は、昨日もムニューシン米財務長官が、民主党のペロシ下院議長と追加のコロナ経済対策案をめぐり、約1時間にわたり電話協議を実施したが、合意には至らず。それどころか、終了後には「大きな隔たりが存在する」と認めたうえで、来月3日の米大統領選までの合意に懐疑的な見方も示していた。ただ、トランプ氏は残り3週間となった大統領選へのアピールという意味もあってか、米経済の回復に向けた中間層の減税実施に改めて意欲を示すコメントを発しており、思惑を呼んでいた面もあるという。

<< 欧米市場の見通し >>

市場筋の関心は、引き続き「米大統領選」を中心とした幾つかの米国ファクターと、「英EU通商交渉」の行方で、その2つとも本15日がひとつのヤマ場に。うち後者については、交渉延長の可能性も取り沙汰されているが、本日が一応の期限にあたっており、しかも議論は遅々として進んでいないことはやはり気掛かり。欧州委員長からは「合意に向け努力しているが、いかなる代償を払っても、ということではない」などと、どこか突き放したような発言も聞かれている。そうしたなか、まずは15-16日の日程で実施される予定のEU首脳会談の行方を注視している向きが多いようだ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。なかでも本日は、前述した「英国情勢」にとくに要注意だが、米国については、トランプ氏とバイデン氏、2人の米大統領候補がそれぞれ実施する対話集会が注視されている。ちなみに、以前レポートしたようにNBCテレビとABCテレビが同時間帯に、ともにそれぞれの対話集会の様子を中継するという。如何なる発言が飛び出すのか要注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ取引。昨日そして本日東京でも104.95-106.11円という1円強のレンジ下限に一時接近するも、割り込めずに跳ね返されている。このまま下値トライは失敗に終わるのか、それともこのあと再び下値を試すのか、欧米市場の動きにまずは注目だ。ちなみに、下抜けると若干遠いが、9月安値104.00円が再び視界内に。

本日は、10月のNY連銀製造業景況指数や同フィラデルフィア連銀景況指数、週間ベースの新規失業保険申請件数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。
また、引き続き欧米要人による講演などの発言機会が多いうえ、モルガンスタンレーなど米企業の決算発表も相次ぐ見通しだ。材料盛りだくさんだが、逆に参加者の視点がアチコチに分散されてしまい、動意には繋がりにくい可能性も取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.80-105.60円。本稿執筆時には下回って推移している移動平均の21日線(105.35-40円)をめぐる攻防に注目。上抜ければ、一昨日高値の105.62円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の105.04円が最初のサポートとして意識されている。割り込めばレンジ下限の104.95円、あるいは9月安値を起点とした短期フィボナッチを参考にしたテクニカルポイント104.80円レベルなどを目指す展開か。

英国情勢注視、他の注目材料も多く波乱含み

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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