欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する理事会議事要旨の記者発表(20/10/9)

昨日、ECB理事会の議事要旨が記者発表されました。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する理事会議事要旨の記者発表(20/10/9)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する理事会議事要旨の記者発表

(ECBの会合は2020年9月9日及び10日分)


昨日、ECB理事会の議事要旨が記者発表されました。内容はこれまでとあまり変わりませんので、ユーロ高に関する記述を中心に記載させて頂きます。

(要旨:為替に関する部分のみを抜き出しています)

ユーロの名目実効レートは危機が起きて以降、上昇トレンドになった。広い範囲で米ドルに対してユーロ高となった。ただいま迄で、ユーロは米ドルに対し、パンデミック前の水準より7%上昇した。市場が推測している将来のインフレ率(BEI)が上昇すると、投資家は米ドル建ての債務証券の保有を減らしていった。そして更に実質金利がマイナス領域になると、その影響が一層強まった。モデルをベースにした分析によれば、為替レートの最近の移し替えには2つの主要な駆動を証明している。第1で、かつ最も重要なものは世界的センチメントの実質的改善である。例えば、以前に安全資産と考えられていた米国への逃避が転換したことである。危機に対抗するため、ユーロ政府によって取られた決定的な政策がリスクセンチメントの改善に貢献したことである。2つ目は米国と欧州圏で実施した金融政策に関するものである。パンデミック前の従来の方針スペースの違いを反映した部分もある。先をみても、ユーロ含めた先進国通貨に対するネットの投機的米ドルポジションがまだ大きく、残っている市場のポジションは一段のユーロ高方向に傾いていた。

(理事会の)メンバーは為替レートの一段高は成長とインフレの双方にリスクとなると考えている。ユーロ圏のインフレに関し、通貨高による著しい影響については2020年9月のECBスタッフ見通しの中に含まれていたことを思い出させた。為替調整の影響は、究極的にはインフレ率というよりもむしろ物価水準そのものに見受けられるとの論点である。さらに言えば、経済的影響は、確実に解きほぐすことが困難となっている為替変動の根本的な原因に依存している。

最近のインフレ期待の進展に関する議論の中で、メンバーは、プロの予想家を集めたECB調査のレポートにあった様に、長期のインフレ期待が1.6%に落ちたことを確認した。これはEMU(欧州通貨連合)開始以降では最も低い水準である。同時に、インフレ期待の市場ベースの指標は回復を始めている。5年先物のインフレ連動スワップは現在1.19%になっている。将来のインフレ見通しに関する不確実性は高いけれども、市場はデフレのリスクを見積り始めており、これはインフレ期待が全般的に安定してきているとコメントがなされている。同時にインフレ期待はまだあまりに低く、例えデフレのリスクが減じられているけれども、それは無視できないと注記している。インフレ期待の緩やかな改善は6月に採られた金融政策におうところが大きく、為替レートの一段高の見通しがあればインフレリスクを下方に押し下げることを意味する。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから

下図はユーロドルの週足チャートです。C(=1.20)に沿ってユーロが上昇していましたが、9月中旬にサポートを下抜けしてから、A(=1.1850)の抵抗線とB(=1.1610)のサポートに止められて、収斂を続けています。週末の終値で抜けを確認しますが、今週の動きをみると、ユーロは来週もAとBのレンジで推移しそうな気配です。Aを越えればCと1.2011のダブルトップ狙いになりそうで、上値は、まずは先週金曜日のユーロ圏HICP時に添付した日足の1.1570〜1.1805のユーロ安トレンド上限を越えるか否かが最初の関門になります。
逆にBを下抜ければD(=1.1335)、E(=1.1120)を試す流れになります。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する理事会議事要旨の記者発表

(10月9日15:45、1ユーロ=1.1770ドル)

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