トランプ氏の容体改善が好感されているが・・・(10/5夕)

週明け5日の東京市場は、ドルが堅調裡。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、値動き以上にドルの強さが目についた。

トランプ氏の容体改善が好感されているが・・・(10/5夕)

トランプ氏の容体改善が好感されているが・・・

〇ドル円、「寄り付き安・大引け高」の展開でドルが強い
〇ポンペオ長官のアジア歴訪、韓国とモンゴル訪問を中止し日本のみの訪問
〇時間外で取引されているNYダウなど米株3指数いずれも堅調
〇本日、9月総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数発表
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.20-106.10

<< 東京市場の動き >>

週明け5日の東京市場は、ドルが堅調裡。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、値動き以上にドルの強さが目についた。

先週末は、「新型コロナに感染」したトランプ米大統領の症状をめぐり、情報が錯綜。市場筋の多くも休暇となるなか、気を揉む格好となった。一方、週末2日まで実施されていた通商協議がまとまらなかったEUと英国は3日、ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長が電話会談を行い、「交渉継続で一致」したことを明らかにしている。
そうした状況を踏まえた週明けのドル/円は105.20-25円で取引開始。しかし、結局同レベルを日中安値にドルはじり高に推移すると、夕方には105.60-65円まで上昇した。チャート的には「寄り付き安・大引け高」の様相を呈するなか、16時現在でも日中最高値圏で推移し欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「トランプ氏容体」と「米国情勢」について。
前者は、先週末金曜日に「医師の勧めで数日間入院」などといったようなやや楽観的なイメージの報道も目に付いたが、週末には、重症患者が使用する「ステロイド薬デキサメタゾンが投与された」といった報道や、米首席補佐官から「トランプ氏は完全回復の軌道にない」との発言も。ただ、自身はツイッターにビデオメッセージを投稿し、「まもなく戻れると思う」などと強気のコメントを発していた。なお、そののち本日早朝には「トランプ氏を乗せた車が病院を出た」ことが明らかとなったが、これは「退院」でなく、有権者などへ向けた単なる「健康アピール」だったもよう。とは言え、専属医が「5日にも退院できる」と発言したこともあり、一時の悲観論はスッカリ払しょくされた感も否めない。

対して後者は、「トランプ氏のコロナ感染」が判明するなか、コンウェイ元大統領顧問や米ホワイトハウス担当記者3人が新型コロナの陽性反応を示したことも明らかとなった。つまり、ホワイトハウスでクラスターが発生していたことになる。ただ、米民主党のバイデン候補は、PCR検査の結果は「陰性だった」ことを表明していた。そうしたなか、米共和党上院トップが「最高裁判事の承認公聴会は予定通り12日に開始する」と発言、また7日に予定されていた「ペンス副大統領とハリス上院議員による米副大統領候補討論会も予定通り実施」されることになったが、ポンペオ長官が4日から予定しているアジア歴訪については、韓国とモンゴル訪問を中止。日本のみの訪問で、日程も短縮される見通しに。

<< 欧米市場の見通し >>

前述した「トランプ氏を乗せた車が病院を出る」、つまり元気な姿を有権者に披露するというパフォーマンスもあり、金融市場全般に楽観論が広がっている。実際、為替のみならず、時間外で取引されているNYダウなど米株3指数いずれも堅調だ。ドルはこのあとも上値追いを続ける可能性もある。ただ、忘れてはいけないのは、トランプ氏は70歳を超える高齢者かつ、新型コロナの罹患者は突然体調を一変させ、重症化することも少なくないことだろう。油断は禁物で、あまり楽観に傾斜しすぎるのも危険という気がしないではない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。本日は発表される米経済指標や要人発言を注視しつつも、引き続き「トランプ氏の容体」に一喜一憂する展開か。また、それとは別に、週末に交渉継続で一致した「英とEUの通商協議」についても、警戒感を抱く参加者は少なくない。

テクニカルに見た場合、先週末以降、「トランプ米大統領の新型コロナ感染」というニュースに一喜一憂、翻弄される値動きながら、チャート的には1円程度のレンジにとどまっている。ただ、足もとは過去2週間近く推移しているレンジの上限である105.80円をうかがう展開となっており、このまま「しっかり」と抜けていくことができるのかを注視したい。
ちなみに、8月高値107.05円を起点としたフィボナッチによると、下げ幅の61.8%戻しは105.85-90円、76.4%戻しは106.30-35円となる。

一方、本日は、9月の総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。先週末に発表された米雇用統計が好悪取り混ぜた内容だったこともあり、米経済指標への関心は引き続き高いようだ。
また、エバンス・シカゴ連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などの講演や発言機会が見込まれており、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-106.10円。時間足ベースなどでは、何度もドルの上昇を阻んできた105.70-80円をめぐる攻防にまずは注視。ただ、しっかり上抜ければ106円台回復も。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値105.20-25円が目先のサポートか。下回ると先週末安値、「トランプショック」で下落した際に記録した104.95円がターゲットに。

トランプ氏の容体改善が好感されているが・・・

ドル円日足

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