米株の動きを注視、ドル続落にも注意(9/17夕)

17日の東京市場は、ドルが冴えない。前日の欧米時間に割り込んだ104円台を一時脱却、105円に乗せる局面も観測されたが続かなかった。

米株の動きを注視、ドル続落にも注意(9/17夕)

米株の動きを注視、ドル続落にも注意

〇ドル円、104.90前後で寄り付いた後105.15-20まで値を上げるも再び105円割れへ
〇米FOMCの発表を受けNYダウは一時360ドルほど大幅高となるが失速、終値はわずか36ドル高に
〇欧州との通商協議の行方や英中銀による政策金利の発表など英国情勢にも要注意
〇本日は米週間ベースの新規失業保険申請件数の内容注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.20-105.20

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、ドルが冴えない。前日の欧米時間に割り込んだ104円台を一時脱却、105円に乗せる局面も観測されたが続かなかった。

ドル/円は104.90円前後で寄り付いたのち、一時ドル買いが先行。105円台を回復し、105.15-20円まで値を上げている。しかし勢いは続かず上げ渋ると、再び105円割れ。レンジは狭いが「行って来い」の様相となり、16時現在では寄り付きに近い104.80円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、東京時間に目立っていたのはユーロ売りの動き。それほどレンジは広くなく、ユーロ/円でいえば70ポイントほどだったが、ユーロが続落すると、一時123.30-35円。7月29日以来の安値を示現している。

一方、材料的に注視されていたものは、「FOMCと米金融政策」と「TikTokをめぐる動き」について。
前者は、定例会合で「米経済の回復支援」することを目的とし、「2023年までゼロ金利が続く」との見通しを示したうえ、その後の会見でパウエルFRB議長は「追加金融緩和の可能性」にも言及している。そんな状況を受けて、NYダウは一時360ドルほどと大幅高をたどったものの徐々に失速。NYの終値はわずか36ドル高にとどまった。また本日の東京時間、時間外で取引されているNYダウ先物も弱含みで、最大500ドルほど下落する局面も。

対して後者は、対米外国投資委員会が会合を開き、「TikTokの米国事業とオラクルの提携案を国家安全保障上の観点から審査」を行うなか、幾つかの気になる報道などが観測されている。たとえば、米共和党のルビオ上院議員はトランプ米大統領に書簡を送り「バイトダンス影響残存ならTikTok案の拒否を呼び掛けた」とされるほか、そのトランプ氏も記者団に対し、中国バイトダンスが引き続き過半数株式を保有し、オラクルが少数株主にとどまることは概念的には好ましくない、との考えを示していたという。トントン拍子で話が進むかどうか未知数なのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、注目の米FOMCは市場の予想通り、かなりの「ハト派」的な内容。それを米株市場も当初好感していたが、影響は続かなかった。足もと、時間外取引でNYダウのみならず、ナスダック先物など主要な米株3指数とも大きく値を崩していることは気掛かりだ。さらなる続落などを示すようだと、為替市場においてはドル/円などでさらなるドル安が進行する可能性も否定できないだろう。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。米国については、前述したように足もと大きく値を崩している米株の動きが注視されるなか、本日は英国情勢を要注意材料として考える向きも少なくないようだ。欧州との通商協議の行方などが依然として警戒を要するなか、英中銀による政策金利の発表が見込まれており、そちらを注視する声も多かった。

テクニカルに見た場合、ドル/円は8月以降のレンジ下限だった105円を割り込み、一時は104.80円レベルへ。ダマシの可能性もないではないが、レンジを下放れたことによる基本的なリスクは円高方向で、さらなる下押しには注意を払いたい。ちなみに、7月安値104.19円を起点としたフィボナッチでは、上げ幅の76.4%戻し(104.85-90円)も下回っており、次のターゲットは100%戻しとなりそうだ。

本日は、9月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。もちろん、それらは要注意で、とくに後者である雇用指標の内容が注視されている。前週まで雇用の悪化傾向に一服感がうかがえたが、その傾向が今回も続くのか否かに注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.20-105.20円。本日東京高値にあたる105.15-20円が最初の抵抗で、上抜ければ105円半ばそして移動平均の21日線も位置する105.90円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の104.75-80円の攻防にまずは注目。下回ると少し遠いが7月末安値104.19円も意識されかねない。

米株の動きを注視、ドル続落にも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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