ランド円レポート月曜版
〇ランド円、安値5.96レベル高値6.16レベルとなり6円の大台割り込みを避け反発相場に
〇南ア大統領、新型コロナの感染ピークは越えたとし経済活動制限を緩和も油断できないか
〇米中対立激化が南アと中国の貿易に悪影響になる可能性
〇今週は6.00レベルをサポートに6.25レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが「テクニカルに史上最安値5.60とその後の戻り高値6.56の78.6%押しから5.80レベルをサポートに、レジスタンスラインが位置する6.10レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.96レベル、高値が6.16レベルとなり、なんとか6円の大台割り込みを避けての反発相場となりました。
先週のランドは、最も大きかったのはテクニカルに最初のターゲット(史上最安値5.60とその後の戻り高値6.56の61.8%押し)であった5.97レベルを前週に続いてかろうじて割り込まず、その後は短期レジスタンスラインを上抜けと、それまでランド売りに回っていた向きが買い戻しに動くきっかけを作ったと言えます。
先週も書きましたが、新規感染者数の7月24日をピークに着実に下がってきていることは当初の保健省の想定より良い状況です。また週末の発表ですが、ラマポーザ大統領が「南アフリカは感染のピークを越えた」として「経済活動に関する制限をほぼすべて緩和する」としました。おそらく事前に国民向けの演説において何らかの好材料が話されるのではといった思惑もあったかと思います。
ただ、南アフリカを取り囲む材料自体には大きな変化は無く、国内の経済問題だけでなく米中対立激化が南アフリカと中国との貿易に悪影響を与える可能性がありますし、経済活動の再開は感染者増大に繋がることは各国の状況を見ていて火を見るよりも明らかです。それ以前も感染者増大がきっかけとなって経済活動再開に制限をかけたことを考えるとまだまだ油断できない状況であることは間違いありません。
今週は南ア関連の経済指標は特にありませんし、主要国の材料もランドに直接的な影響を与えるものはありません。米中通商合意後の点検協議も延期されたことで、ここでも新たな材料は出てきませんので、米中の対立は当面TikTokやWeChatといったスマホアプリ関連に関心が集中します。来週は今週の民主党に続いて共和党も全国大会がありますし、リードを奪われているトランプ大統領が対中国で過激な発言をするリスクは想定しておいた方がよいでしょう。
特に材料もありませんので、チャートを見ていきます。まず日足チャートです。
赤のラインで示したターゲットが史上最安値5.60とその後の戻り高値6.56との押しですが61.8%押しの5.97(赤のターゲット)でほぼ止められていることがわかります。すると7月高値6.55と8月安値5.96との戻しを考えることになりますが、半値戻しが6.25(青のターゲット)となっています。6円の大台での底堅さを考えるとターゲットとして妥当でしょう。
上記のラインを残して、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
上げる要因のひとつとなったレジスタンスラインの上抜けはピンクのラインで示してありますが、チャートを見ている限り短期的な下げ圧力は終わり、今は下降トレンドの中での戻りを試す局面にあるということがわかります。
今週は先週に続いて底堅い動きを続けやすいものの戻りも徐々に鈍くなってくることを考え、大台6.00レベルをサポートに、テクニカルなターゲットである6.25レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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