ドルの続伸期待強い、107円台回復も!?(8/12夕)

12日の東京市場は、ドルが続伸。前日高値を超え、直近の戻り高値を更新する局面も観測されていた。

ドルの続伸期待強い、107円台回復も!?(8/12夕)

ドルの続伸期待強い、107円台回復も!?

〇東京市場ドル続伸、ドル円は16時現在ドル最高値圏の106.75-80で推移
〇露コロナワクチン世界で初めて認可も、安全性に疑問で多くの市場参加者は懐疑的
〇トランプ「習中国国家主席との関係は変化」と発言で、蜜月関係の終了と関係悪化懸念
〇本日、7月米消費者物価指数発表や、米財務省による10年債の入札などが予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ106.20-107.20

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は、ドルが続伸。前日高値を超え、直近の戻り高値を更新する局面も観測されていた。

ドル/円は106円半ばで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。106.45-55円といったほぼ横這い商状をたどるなか、上抜けすると前日高値を更新、そのまま106.80円レベルまで値を上げている。その後はやや上げ渋りとなるも、逆に底堅く強保ち合いの様相に。16時現在では、ドル最高値圏の106.75-80円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナワクチンをめぐる動き」について。
前者は、香港の民主活動家、周庭氏らの逮捕に日本の菅官房長官が懸念を示したことについて、中国外務省が「香港は中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉も許さない」などと反発する姿勢を見せた。また、米中関係について、FOXニュースがトランプ米大統領の発言として「新型コロナウイルスのパンデミックを受けて習中国国家主席との関係は変化した」と報じたことが市場で話題に。ただ、そうしたなか米NEC委員長からは「米中通商合意は良好な状態」との発言も聞かれていたようだ。

対して後者は、プーチン露大統領が「国内で開発された新型コロナウイルス感染症ワクチンを世界で初めて認可した」と発表、物議を醸す。フィリピン大統領からは「多大な信頼」を寄せているとの発言とともに、自ら臨床試験に参加する意向が示されたものの、多くの向きは安全性に疑問を抱く旨の発言が聞かれていた。たとえば、ドイツの保健省報道官は「質、有効性、安全性、どれについてもデータがない」と述べ、疑問を表明している。

<< 欧米市場の見通し >>

ロシアによる新型コロナワクチンの認可は、ロイターが「科学や安全性よりも国の威信を優先しているのではないか」と指摘していたように、多くの市場参加者もいまだ懐疑的だ。信憑性は低いとみられている。しかし、世界全体の感染者が2000万人を超えるような状況下、「取り敢えず半歩前進」などとして好意的にとらえる向きは少なくない。今後、日米欧などでも開発競争がさらに激化、それが良い方向に向かうとすれば、さらなるドル高への支援要因になりかねないとの声も聞かれていた。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。前述したように後者に関するワクチン開発については好感される内容も伝えられている反面、前者についてはトランプ氏が「習中国国家主席との関係は変化した」と発言したことで、これまでの蜜月関係の終了とともに関係悪化が懸念されていたようだ。昨日は「米中の対立」をあまり材料視しなかったマーケットだが、再びそちらサイドに脚光があたるようだとドルの上値抑制要因になりかねないのかもしれない。

テクニカルに見た場合、8月以降のドル上値を抑制していた106.47円を昨日上抜けたことに続き、本日東京時間ドルは続伸。106.80円レベルまで一時値を上げている。ドルの上値余地が広がった感を否めず、次の上値メドは6月高値109.85円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たる107.00-05円か。その少し上には、移動平均の90日線も位置している。それらを超えれば、107円台後半から108円台回復がみえてきそうだ。

一方、本日は、7月の米消費者物価指数が発表されるほか、米財務省による10年債の入札などが予定されている。また、ボストン連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁などによるオンライン講演なども複数実施される見込みだ。そちらにも注意を払いたい。
また、英国やトルコを含めた欧州情勢にも引き続き要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.20-107.20円。上方向は、フィボナッチポイントや移動平均の90日線が位置する107円前半が強い抵抗として意識されている。しっかり上抜けると、108円台回復に現実味。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗だった106.47円ならびに、昨日NYクローズでもしっかりと上抜けてきた移動平均の21日線が位置する106.15円レベルの攻防を注視。下回った場合には105円台突入も。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る