ランド円ショートコメント(20/8/10)

先週のランド売りは国内要因よりも米中の対立激化を懸念した面の方が大きいように思えます。

ランド円ショートコメント(20/8/10)

ランド円ショートコメント

まず、先週の振り返りですが、ランド円は「速度を鈍らせながらもランド安の傾向が続きやすいと見て、6.10レベルをサポートに、6.35レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が5.96レベル、高値6.22レベルと、予想よりも下値を広げ6円の大台を割り込み、その後も6円近辺での動きを続けています。

先週のランドは基本的にこれまでと同じ材料で、国内では新型トルコ感染者が増え感染者数が約56万人と世界で5番目に悪く死亡者数も1万人超えという点です。しかし、新規感染者数の今のところ7月24日をピークにカーブが下がってきていることは当初の保健省の想定(8月がピークか)よりは良いと思いますので、先週のランド売りは国内要因よりも米中の対立激化を懸念した面の方が大きいように思えます。

米国では中国製のアプリであるティックトックやウィーチャットの使用停止を念頭にマイクロソフト等の米国企業への売却を迫っていますが、示された期限まで1か月強しかありません。ここで決まらないと米国内でのこれらのアプリ利用は出来なくなりますし、更に中国に対しての規制が出てくるリスクもあります。本日の米厚生長官(1979年の米中国交樹立以降、米国最高位の閣僚)と台湾総統との会談を前にして長官は「安全保障や貿易、医療、そして共通の価値観である民主主義や自由経済、人権といった観点での深い米台関係を再確認する」と述べ、ポンペオ国務長官同様にあえて中国を刺激する発言をしています。

この強硬姿勢が今の米国の中国に対する態度ということは各所で確認できますので、本日以降も一段と米中の緊張が高まる方向であることは間違いなく。そうであるとすると中国を最大の貿易相手国とする南アフリカにとっては新型コロナ以上に同国経済に与える影響を懸念することとなりそうです。

いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円ショートコメント

現状のランド円はピンクの平行線で示した平行チャンネルの中で、引き続き上値の重たい展開となりそうですが、先週の安値は今年4月の史上最安値5.60とその後の戻り高値6.56の61.8%押し5.97と一致しています。ここから下のターゲットは78.6%(61.8%の平方根)押しとなる5.80となります。

今週は南ア国内でも比較的経済指標の発表も多いのですが、いまは指標以外の要因の影響が大きく、またテクニカルにも下降トレンドを続けていると考えられますので、上記ターゲット5.80レベルをサポートに、レジスタンスラインが位置する6.10レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

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