GDPなど米指標を注視、ドル反発にも要注意(7/30夕)

30日の東京市場は、ドルが堅調裡。ここまで前日記録したドルの直近安値を下回れず、むしろ割り込んでいた105円台を回復するなど、ドル買いの動きが目立っている。

GDPなど米指標を注視、ドル反発にも要注意(7/30夕)

GDPなど米指標を注視、ドル反発にも要注意

〇ドル円、前日のドル直近安値を下回れず、105円台を回復するなどドル買いの動き
〇米中対立、尖閣諸島についてシュナイダー司令官が日本への支持を表明するなど激しいやり取り
〇全米でコロナ死者数が15万人を突破、全世界の死者数の2割以上を占める
〇本日、4-6月期のGDP発表、事前予想値は前期比年率でマイナス35%程度
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.60-105.60

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は、ドルが堅調裡。ここまで前日記録したドルの直近安値を下回れず、むしろ割り込んでいた105円台を回復するなど、ドル買いの動きが目立っている。

ドル/円は寄り付いた104.85-90円を日中安値にドルが強含み。当初は月末ゴトー日の仲値不足観測などもドル高に寄与していたという。そののち、仲値が確定したこともあり、途中で上げ渋る局面も見られたが、夕方に再び上値を拡大させる展開に。ドルの高値は105.30円レベルまでと、値幅は決して大きくなかったものの、「寄り付き安・大引け高」に近い動きで見た目以上にドルが強い印象だ。16時現在では105.15-20円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米FOMC」と「米中の対立」について。
前者は、今週最大の注目要因とされるFOMCの結果発表が本日未明に行われ、「政策金利の据え置き」が発表されると同時に、会見に臨んだパウエルFRB議長からは「この数ヵ月、活動再開で経済情勢は持ち直し」としたものの、全体的には「4-6月のGDPは過去最悪になりそう」、「できる限りの手段を活用する」−−などといったように弱いトーンが目についた。なお、前述したパウエル発言を受け、本日発表される米4-6月GDPへの関心が急速に高まった感も否めず、数字如何では相場の波乱要因にも。

対して後者は、米中は、これまでも「香港」や「台湾」、「ウイグル」など様々な舞台でぶつかりあってきたが、今度は日本の尖閣諸島について激しいやり取りが観測されている。在日米軍のシュナイダー司令官が日本への支持を表明。「尖閣の中国船侵入に監視支援は可能」と発言した反面、中国サイドは、外務省の汪報道官が「尖閣諸島は中国固有の領土であり、この地域で法執行活動を行う権利を有する」と表明したうえで、「米国は尖閣諸島問題に介入すべきでない」との考えを示していた。また、それとは別に米財務長官は、中国企業が運営する動画投稿アプリ「TikTok」を安全保障の観点から審査しており、今週中にトランプ大統領へ具体的な対応を提案すると述べたという。

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依然として世界中で猛威を振るう新型コロナだが、米国についても、ロイターが「全米で死者数が15万人を突破。全世界の死者数の2割以上を占める」と報じ、一時話題に。また、感染予防目的のマスク着用を拒んできた米共和党のゴーマート議員が、新型コロナに感染したことも明らかとなった。トランプ政権にとっては踏んだり蹴ったりの状況で、金融市場の一部からは、タイミングが少し早いものの「トランプ氏は8月下旬にワシントンで対面式のG7を行うとしているが、開催できるのか」といった不安視する声も聞かれている。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。ただ、本日は「ファンダメンタルズ」要因、NY時間に発表される2つの米経済指標への関心も高く要注意。ひとつは、先週雇用改善に水を差した格好の「週間ベースの新規失業保険申請件数」で、もうひとつは先でも取り上げた「4-6月GDP」になる。とは言え、悪い数字はある程度織り込み済みであることから、好数字の方が大きな反応になるとの見方も少なくない。

テクニカルに見た場合、時間足など短期ベースでは一度ならず最低でも二度以上、104.75-80円でドルは下げ止まっただけでなく、逆に短期的な抵抗とみられた105.10円レベルを上抜けてきた。油断は禁物だが、ドル安基調の第一弾は終了した可能性もある。28日高値でもある105.68円をしっかり上抜ければ、その可能性はさらに強まりそうだ。ドル高方向の攻防にも一応要注意。

一方、本日は、4-6月期のGDP速報や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、FRB議長が昨日「過去最悪になりそう」と述べた前者GDPの事前予想値は前期比年率でマイナス35%程度、後者は前週よりも若干悪化した143-144万件が予想の大勢だ。ただ、悲観的な数字が有力視されているだけに、逆に好数字が出た場合のドル急反発などを警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.60-105.60円。上方向は、東京高値にあたる105.30円の攻防にまずは注視。上抜けると、目先高値の105.68円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現したドル安値の104.77円レベルをめぐる動きに注目。割り込むと、104円台にそれほど強いフシはうかがえないのだが、敢えて指摘すれば104.40-45円が意識される展開か。

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ドル円日足

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