南アランド週報:『南アフリカ国内の感染者数急増と米中対立懸念がランドの重石』(7/4朝)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.19円で寄り付いた後、早々に安値6.17円まで下落しました。

南アランド週報:『南アフリカ国内の感染者数急増と米中対立懸念がランドの重石』(7/4朝)

南アフリカ国内の感染者数急増と米中対立懸念がランドの重石

〇南アランド円、今週南アのGDP貿易収支等の改善に一時約3週間ぶり高値となる6.37円まで上昇
〇上昇によりテクニカルに持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズはいまだ弱さが目立つ
〇南アフリカランド円下落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ6.15ー6.45

今週のレビュー(6/29−7/3)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.19円で寄り付いた後、早々に安値6.17円まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限にサポートされると、@株高・原油高を背景としたリスク選好ムードの高まり(新型コロナワクチン開発への期待感も株価を押し上げ)や、A世界的な景気対策(金融緩和+財政出動)を背景とした投資家心理の改善期待(ムニューシン米財務長官による「7月末までに上院と下院が協力し追加救済策を進める」との楽観発言)、B予想比良好な南ア第1四半期GDP(結果▲2.0%、予想▲4.0%)、C南ア5月貿易収支(結果159億ランド、予想▲98億ランド)及び、D南ア第1四半期経常収支(結果697億ランド、予想▲310億ランド)の黒字転換が支援材料となり、週後半にかけて、6/11以来、約3週間ぶり高値となる6.37円まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、結局6.32円前後での越週となっております。

来週の見通し(7/6−7/10)

南アフリカランド円相場は、6/18に記録した安値6.09円をボトムに反発に転じると、7/2には一時約3週間ぶり高値となる6.37円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上限や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(今週は週初に下落するも、一目均衡表雲上限にサポートされる形で反発)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(南ア4ー6月期BER企業信頼感指数、1ー3月期失業率は共に史上最悪水準)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中対立激化の再燃リスク(全人代は6/30、香港国家安全維持法案を可決。米上院は7/2、中国に制裁を科す香港自治法案を全会一致で可決。米中対立リスクが再燃すれば、中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れあり)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカ国内で感染者数が急増。WHOが警戒呼びかけ)など、南アフリカランド売りを想起させる不安材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。新型コロナ第2波を巡るヘッドラインや、米中対立リスクを巡る続報、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(SACCI企業景況感指数や製造業生産など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増及び米中対立懸念→南アフリカ経済の先行き不透明感→リスク回避ムード再燃→株安・南アフリカランド売りへの波及経路を想定)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45

南アフリカ国内の感染者数急増と米中対立懸念がランドの重石

南アフリカランド円日足

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