依然不安要因多いなか、為替の安定は継続か
〇ドル円は106円台後半中心の小動き
〇注目された材料は「北朝鮮情勢」と「ボルトン氏の著書」
〇ポンペオ米国務長官が17日、ハワイで中国の楊共産党政治局員と会談するも詳細伝わらず
〇これまでの米中対立、コロナ二次感染リスク等の材料に加え本日はEU首脳会議にも要注意
〇ドル円、東京時間に107円割れを示現するも、大きな意味ではレンジ内
〇欧米時間の予想レンジ106.50-107.40
<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル安が進行し、106.70円レベルまで下落したが、下値模索の動きは続かなかった。
ドル/円は106.90-95円で寄り付いたのち、日中高値である107.05円レベル示現。しかし、日米株価が大きく下落したことなどを材料に、ドル売り・円買いが進むと、106.70円レベルまで一気に値を下げた。ただ、日中安値を達成後は動意が急激に細ると、106円台後半を中心としたレンジ取引に。16時現在では、寄り付きレベルに近い106.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ボルトン氏の著書」について。
前者は、ロシア外相から「朝鮮半島情勢めぐり、日米中を含めた6ヵ国協議の開催を」との発言が聞かれるなか、「金委員長の国内視察用専用機、北朝鮮上空を飛行」との報道も。ちなみに、後者については対立激化を受けてか、安全地帯へと避難した可能性が取り沙汰されていたようだ。そうしたなか、トランプ米大統領は「対北朝鮮制裁の1年延長」を表明していた。
対して後者は、トランプ氏が「ウソと作り話で構成されている」などと強く批判、出版差し止めをめぐる値動きも観測される、ボルトン前米大統領補佐官の著書が話題に。たとえば、そのなかでは「トランプ氏、中国に大統領選での再選支援を要請」、「トランプ氏は真珠湾攻撃を持ち出し、日本の貿易対応に不満示す」、「米国務長官はかつて北朝鮮政策が成功する可能性はゼロと指摘していた」−−といったような、かなりショッキングな内容が多数含まれていたという。なお、ある意味では当然ながら、米政府サイドからは「ボルトン氏の暴露はまったくの事実無根」などとする正式な否定コメントが発せられている。
<< 欧米市場の見通し >>
米中を中心とした「感染第2波」への懸念が強まるなか、ポンペオ米国務長官が17日、ハワイで中国の外交担当トップである楊共産党政治局員と会談したものの、詳細は伝えられず。貿易問題を中心に新型コロナや香港情勢などについても話し合われたとみられるが、その内容はと言うと「双方が対話を継続することで合意した」(中国メディア)といったものばかりで、具体的な進展があったかどうかは懐疑的な面も残る。いずれにしても、引き続き「米中対立」は波乱要因として注意する必要があるだろう。また、米USTRが「第2弾の対日交渉」に意欲をうかがわせはじめたことも、今後要注意だ。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「全米に広がるデモ活動」など、注目要因は依然として目白押し。また前述したように、新たに「日米貿易交渉」が、それに加わりそうな感も否めない。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、対立激化の様相を示す朝鮮半島情勢なども気掛かりだが、本日でいえばテレビ会議方針で実施されるEU首脳会議にも要注意か。トランプ米大統領が在独米軍の縮小を発表するなど、米欧間も若干ギクシャクしているだけに、それらの対応を注視している向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、本日東京時間に107円割れを示現するも、大きな意味ではレンジ内。実際、過去1週間程度のレンジ下限である106.58円を割り込むことは、まだ出来ていない。このあと、まずは前回安値をめぐる攻防が注視されており、下回れば105.99円がターゲットとなる反面、失敗に終われば再び107円台へと回帰。レンジ取引の続く可能性が取り沙汰されていた。
本日は、6月のフィラデルフィア連銀景況指数や、週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっており、それらの内容は当然要注意。また、クリーブランド連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁による講演が別途予定されているほか、明日まで2日間の日程でEU首脳会議も実施される見込みだ。何気に注目材料は少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.50-107.40円。東京高値も近い107.10円レベルに弱い抵抗あり。上抜ければ、前回高値107.63円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日安値である106.70円レベルをめぐる攻防にまずは注視。割り込んだ場合には前回安値の106.58円、そして105.99円などが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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