ドル/円がレンジ上放れ、続伸期待も(20/6/3夕)

3日の東京市場は、ドルが小じっかり。一時108.85円レベルまで値を上げ、前日記録した戻り高値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円がレンジ上放れ、続伸期待も(20/6/3夕)

ドル/円がレンジ上放れ、続伸期待も



〇ドル円108円台後半で小じっかり一時108.85の高値をつける
〇円は対ドルだけでなく主要通貨に対し全面安、ユーロ円やポンド円なども直近戻り高値を塗り替える
〇中国は自国を排除しての拡大G7に不快感を示し、米国の暴動は状況が改善していない
〇昨晩は予想外のタイミングで円安が進行、理由も判然としない
〇トランプが国内暴動対応に忙殺されている間に、中国が何らかの行動を起こす可能性を懸念する声も
〇テクニカルにはリスクは上向き、108.85の攻防をまずは注視
〇今晩発表のADP雇用統計、同ISM非製造業総合指数は要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジ108.10-109.10

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、ドルが小じっかり。一時108.85円レベルまで値を上げ、前日記録した戻り高値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円は108.65円前後で寄り付いたのち、前日NYでドルが大きく上昇した流れもあり続伸。108.85円レベルまで値を上げている。しかし、日中高値を示現後は上げ渋ると、逆に軟落し108.40-45円へ。その後は、やや方向性の定まらぬまま108円半ば挟みの一進一退をたどり、16時現在では108.65-70円で推移し欧米時間を迎えている。
なお、昨日の欧米時間もそうだったが、本日東京でも円は対ドルだけでなく全面安の様相。事実、ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などは前日更新した直近の戻り高値を本日再度塗り替えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「米国におけるデモ活動」について。
前者は、香港情勢を中心に、貿易問題などを絡めた米中対立が取り沙汰されるなか、今度はトランプ米大統領が指摘した「拡大G7」について中国が噛み付いた。狙いが「対中包囲網の構築」にあることからすれば当然だが、自身が招待国に含まれていないことが不満になっているようで、中国外務省の趙副報道局長から「中国を狙ったグループづくりは人々の支持を得られない」との発言も聞かれていたようだ。
対して後者は、昨日も全米各地で大規模な抗議デモが実施されただけでなく、一部が暴徒化。商店が破壊されるといった被害も多数発生していたという。そのため、ワシントンなどでは州兵が動員されたほか、陸軍部隊の派遣も一部で取り沙汰されていた。また、NY市ではデブラシオ市長が、夜間外出禁止令の延長を発表し、警戒を呼び掛けるなど社会不安が増大している感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の欧米時間、予想外のタイミングで円安が進展。それも全面安の商状をたどっている。また、その流れを継ぎ、本日東京時間も多くのクロス取引で円は続落しており、リスクは円安方向にバイアスが掛かると言わざるを得ないだろう。ただ、正直なところ、何故これほどまでに円が売られているのか理由が判然とせず、一抹のモヤモヤ感も残る。形成された流れには乗るしかないものの、振り落としの動きにも一応注意しておきたい。
材料的に見た場合、「貿易問題のほか香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「全米に広がるデモ活動」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と、「全米に広がるデモ活動」の動きになる。前者についても当然気掛かりだが、後者である国内の対応に忙しく、「トランプ政権は中国に注意を払う余裕がない」などといった見方も少なくないようだ。逆に、そうした間隙を突く格好で、百戦錬磨の中国がなんらかの「攻撃」を米国に仕掛ける危険性を指摘する声も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月半ほどに及んだレンジ上限108.10円レベルを、昨日しっかりと上回ってきた。さらに、108.35円レベルに位置した移動平均の200日線をNYクローズベースでも、上回って大引けている。昨年来の相場はダマシが多いものの、素直に考えてリスクは上向きだろう。
ちなみに、本日東京高値にあたる108.85円レベルは、3月高値111.71円を起点とした下げ幅の半値戻しにほぼ合致するテクニカルポイント。まずは、その攻防に要注意だ。

一方、材料的に見た場合、5月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった、なかなか重要な米経済指標が発表される予定となっている。とくに雇用関係の指標は、週末に5月の米雇用統計が発表されることで、「露払い」的な意味合いもあり注目度が高いようだ。
なお、一応参考までにADP雇用統計の事前予想値を指摘しておくと、マイナス900万人程度。数字的にはまだまだ高水準だが、それでも前月(マイナス2023万人)からは大きく改善する可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.10-109.10円。フィボナッチで見たテクニカルポイントにも合致する本日東京高値108.85円レベルをめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ109円回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日上回ってきた移動平均の200日線が位置する108.35円レベルが最初のサポート。ザラ場ベースはもちろん、NYクローズでも引き続き上回れるか否かが注視されている。

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ドル円日足

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