ランド円レポート月曜版(2016年6月13日)

今週も含め6月23日までは、先週のリスクオフの特徴となった英国の欧州残留に対して一段と高まっている不透明感が最大の材料となってきます。

ランド円レポート月曜版(2016年6月13日)

ランド円レポート月曜版

格付け切り下げ回避でややランドだかなるもリスクオフで下落

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「6.95レベルをサポートに、7.10レベルをレジスタンスとする流れ」を予想し、実際のレンジは安値が6.97レベル、高値が7.29レベルと想定よりランド高での滞空時間が長い値動きを見せました。

これは週初こそ先週末の格付け切り下げ回避に加え、ドル円での円安の動きも加わって水準を切り上げていましたが、高値圏を維持する材料には乏しく弱めの1〜3月期GDPと英国の国民投票に向けた全般的なリスクオフの動きから、再び円買いに舵を切る動きの中でじり安の展開を辿りました。

不透明感が最大の材料

特に金曜には、株安に加えNY原油が大幅安となり、リスクオフと資源国通貨としてのランドには売りが入りやすい状態でしたが、上昇後にサポートとなっていた7.15レベル(ネックライン)を割り込んだことで、テクニカルにも売り仕掛けが出やすい地合いとなった影響も大きいと思います。

今週も含め6月23日までは、先週のリスクオフの特徴となった英国の欧州残留に対して一段と高まっている不透明感が最大の材料となってきます。もちろん、FOMCや日銀の金融政策決定会合といったイベントもありますが、FOMCでの利上げも、日銀の追加緩和も現状では難しく現状維持となる可能性がたかいことは週報にも書いた通りです。

14日に1〜3月期経常収支

ランドの材料としては、14日に1〜3月期経常収支の発表もありますが、少なくともFOMCや日銀の会合を前にして、一時的な材料にこそなっても流れを決めるようなものとはならないでしょうし、市場全体のリスクオフの動きの中で新興国通貨もまた上値の重たい展開を考えざるを得ないということになります。

今週はランド円の日足チャートをご覧ください。

             ランド円日足

             ランド円日足

ランド円5月以降は比較的安定推移

直近2か月の部分だけを拡大してありますが、ランド円は5月中旬以降、唯一先週を除いて比較的安定した動きを示しています。そして先週月曜の上げに対して金曜の下げと、上にシフトした価格を再び5月中旬以降のもみあいレンジへと戻してきたことがわかります。

レンジ内での推移予想するも下値にはリスク

英国が欧州に残留するかどうかの不透明感は現状でも織り込んだとは言えない状況ではありますが、更なる悪材料が出てこなければ今週はピンクの水平線で示した、サポートとレジスタンスとの間で推移する可能性が高いと見ています。

今週のランド円は、英国の情勢から来るリスクオフの動きに注意しつつも、6.88レベルをサポートに、7.10レベルをレジスタンスとする値動きを見ておきます。もし、6.88レベルをNY終値で割り込んできた場合には、もう一段の下げを考えておく必要がありますので、その点にだけは注意が必要です。

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