豪州中銀議事要旨(2020年2月18日公表:理事会は2月4日開催分)

2020年2月4日理事会開催、2月18日公表分です。

豪州中銀議事要旨(2020年2月18日公表:理事会は2月4日開催分)

豪州中銀議事要旨(2020年2月18日公表:理事会は2月4日開催分)

今回の議事要旨では、概ね前回と変わっていませんが、利下げについての検討を行っています。その他はこれまで通り、現行の緩和姿勢を長期間維持し、必要なら追加緩和姿勢を示唆しています。

(議事要旨)
(金融政策に対して考慮する事柄)
政策の決定を考えるにあたり、委員達は、世界経済の減速が終わったとの兆しがあり、先行きの世界経済は程よいものであると確認した。米中の貿易やIT論争を扱う動きは減ったが、まだ重要な世界経済への下方リスクは減じられていない。コロナウィルスの拡大は新たな不確実性の兆候である。全般的に、この状況がどうなるかについての言及には早いが、中国や国際貿易の流れ、つまり豪州経済に対する見通しの短期的リスクを示している。

世界の金融状況は依然ポジティブである。この一端は中銀による刺激策に負うところが多い。金融市場参加者は幾つかの経済圏で一層の緩和を期待しているようだ。長期国債のイールドは豪州含めて非常に低い水準まで戻っている。家計や企業の借り入れ金利は歴史的に低い。信用力の強い借り手には強い競争力がある。幾つかの地区で中古住宅の状況は強くなり、住宅ローン契約も上昇した。豪州ドルは2009年以降では最も低い水準まで安くなっている。

豪州経済の見通しは改善している。これは鉱山投資の回復や住宅投資や消費に支えられている。短期的には山火事の影響が一時的に国内成長の重石となっている。しかし、回復により、年末にはこのGDPへのマイナス影響を覆すだろう。消費の回復見通しが先行きの主要な不確実性要因として残っている。家計は収入の伸びが弱く、住宅価格が下がった期間が長引いた時に消費を調整したことで、消費が弱かった。住宅価格は国中でリバウンドしてきたにも関わらず、まだ家計消費にこれが反応するにはまだ早いとみている。バランスシート調整がどの位続くかは不透明である。

失業率は5.1%まで少し下がった。暫く現行水準で推移し、経済成長が伸びれば5%を少し下回る水準になるとみている。賃金の伸びはここ数年の流れに準じて大まかには変わらないとみている。委員達は賃金の更なる緩やかな伸びは進展に歓迎するべきことであり、インフレを目標としている2〜3%内に支える要因として必要なものである。

12月末四半期で、CPIインフレは年間1.8%と見ている。インフレ圧力は依然として低い。これは住宅関連コストが変わらないことにより下がった。インフレは今後2〜3年で、労働市場の引き締まりに準じ、徐々に2%まで上昇すると予想している。

委員達は今回の会合で一段のキャッシュレート引き下げのケースを見直した。このケースでは中銀のインフレや雇用目標に向けて緩やかな進行に留まる。低金利は中銀の目標に向けての進行を早め、現状の不確実性の局面ではより確信をもたらしてくれる。このケースを考えるに、委員会は、金利が既に低い水準まで下げられおり、その金融政策の伝達には長いラグがあることを考慮した。また、委員会は一段の金融緩和により増加する恩恵が超低金利によりもたらされるリスクにも重きを置く必要があると認識した。国際的にみて、経済への資源配分に対して非常に低い金利の影響と、コミュニティの一部の人々、特に消費に資金を供給するために貯蓄に依存している人々の信頼に対する影響について懸念が提起された。また、更なる利下げは、既に住宅市場が強い上昇にある時、追加借り入れを促すこともある。

委員会はキャッシュレートを今回の会合で据え置くべきであると結論した。委員達は低金利の更なる延長が豪州経済の完全雇用やインフレ目標達成には必要であると考えるのは理にかなっていると合意した。委員会は引き続き、労働市場を含めて、注意深くこの進展を注視し、持続的成長を下支え、完全雇用、そしてインフレを達成するために必要とあれば緩和を用意すると確認した。

委員会はキャッシュレートを0.75%に据え置くことを決定した。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:豪州中銀HPから)

豪ドル米ドルの相場は発表前に0.6710米ドル絡みで推移していましたが、議事要旨内の利下げ検討の内容に0.6685米ドルまで売られて、現在もその付近で推移しています。
現在は3回止められた0.6660〜70サポートの強さを試す流れに入っています。ここを下抜けると新たな豪ドル安トライに入り、0.6520、0.6420米ドル方向に流れ易くなります。一方で、4回目も下抜けに失敗すると、目先は0.6730〜40米ドルの抵抗線、更に0.6770、0.6820米ドルの順に戻り高を試す流れになります。現在はその分岐点にいる状況は変わっていません。
(2020年2月18日13時10分、1豪ドル=0.6690米ドル)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る