トルコリラ円見通し 持ち合い下放れから一旦戻すも下落再開か(19/12/17)

トルコリラ円は12月13日夜高値18.95円から反落して先週を終えたが、週明けも軟調推移で16日深夜には13日深夜安値を割り込んでいる。

トルコリラ円見通し 持ち合い下放れから一旦戻すも下落再開か(19/12/17)

【概況】

トルコリラ円は12月13日夜高値18.95円から反落して先週を終えたが、週明けも軟調推移で16日深夜には13日深夜安値を割り込んでいる。
12月6日の米雇用統計後の下落で12月3日安値を割り込んで10月後半からの持ち合い相場の最安値であった11月15日未明安値18.77円を割り込んで持ち合い下放れに入り、12月10日には18.64円まで安値を切り下げた。12日の日中までは18.70円を挟んだ横ばい推移だったが、米FOMCやトルコ中銀の4会合連続の利下げ等を大きな波乱なく通過し、12月12日夜に米中通商協議が第1段階合意に至るとの報道からドル円が急伸したことと同調して18.90円台へ上昇、さらに13日夜には18.95円まで戻した。しかし13日深夜は米中第1段階合意での関税引き下げが予想を下回った事などから失速した。

12月8日から13日深夜までの展開はドル円とトルコリラ円はほぼ同調していたが、ドル円が14日未明安値の後はジリ高で戻し、13日夜高値とのダブルトップラインまで戻しているのに対して、トルコリラ円は13日深夜安値を割り込む一段安となり、リラ安感がやや強まっている印象だ。

ドル/トルコリラは12月13日から3連騰となり、16日には5.5859リラをつけて11月21日以降の高値を更新している。12月10日からは上げ渋っていたが、米中通商協議第1段階合意によるリスクオン情勢で株高債券安が進行しており、メジャー通貨や資源通貨等ではドル安なのだが、債券安による米10年債利回り上昇が12月12日へ4会合連続で利下げしているトルコ10年債利回りとの対比でドル高リラ安を助長している印象がある。

12月16日に発表されたトルコの9月失業率は13.8%となり、8月の14%から改善した。
10月の小売売上高は前月比マイナス0.2%となり9月の0.8%から悪化した。前年比では9月の3.1%増に続き5.9%増と上昇しているのだが、その前は2019年2月から8月まで7カ月連続で前年比マイナスが続いた状況のため、かなり悪かった前年と比較すれば改善だが、前月比がマイナスとなって足元の伸びが今一つという状況だったことはリラ安要因になったようだ。

【概況】

トルコリラ円/ドルトルコリラ

【持ち合い下放れからの続落にいったんブレーキがかかったが、再び安値試しへ進むか】

トルコリラ円は10月末からは19円台へ乗せても維持できず、18.80円前後はで買い戻される持ち合い相場が続いていたが、12月10日への下落で持ち合いを下放れした。12日の反騰によりいったんは元の持ち合い水準へ回帰したため、持ち合い下放れをきっかけとしての一段安への加速にはブレークがかかったのだが、19円には届かずに失速してほぼイッテコイに近いところまで下げている。再び18.70円割れまで下げてきたことにより、持ち合い下放れによる下落を再開する動きに入っている可能性がある。

仮に12月10日安値18.64円を割り込む場合、12月10日までを持ち合いからの転落による下落の第一段目とし、12月13日の戻り高値から第二段目の下落に発展するという印象が強まると思う。その際は持合い相場のレンジもう一つ分として18.50円前後、さらに12月13日への戻り幅の倍返しで18.33円前後へと下値目処が切り下がる可能性も考えられる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月10日夕安値と12日朝安値をダブル底いとして強気サイクル入りしていたが、13日夜高値で直近のサイクルトップをつけて弱気サイクル入りした。今回のボトム形成期は10日夕安値を基準とすればボトム形成期は13日から17日にかけての間と想定されるが、ダブルボトムの12日朝安値を基準とすれば19日朝にかけての間へ下落期が延長される可能性がある。強気転換は18.85円超えからとし、下回る内は17日夜から18日にかけての一段安警戒とみる。

60分足の一目均衡表では12月16日の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落している。新たな安値更新を回避してジリ高で推移すれば遅行スパンも好転しやすいが、16日安値を割り込む場合は遅行スパン好転の機会がさらに先送りされる。遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、遅行スパン好転からはいったん強気サイクル入りの可能性ありとして高値試し優先とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月16日深夜安値18.67円を下値支持線、18.77円を上値抵抗線とする。
(2)18.77円以下での推移中は一段安警戒とし、安値更新からは18.50円台への下落を想定する。18.55円以下は反発注意だが、18.70円以下での推移なら18日も安値を試しやすいとみる。
(3)18.77円超えからは強気転換注意とし、18.80円超えからは強気サイクル入りとみて18.85円前後への上昇を想定する。18.85円以上は反落注意とするが、18.80円を超えた後も18.75円以上での推移なら18日も戻り高値を試す余地ありとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月20日
16:00 12月消費者信頼感指数 (11月 59.9)
19:30 11月自動車生産 前年比 (10月 0.7%)
23:30 トルコ中央政府債務残 (10月 126.1億トルコリラ) 
12月26日
16:00 12月景況感 (11月 102.00)
16:00 12月設備稼働率 (11月 77.2%)
12月30日
16:00 12月経済信頼感 (11月 91.3)
12月31日
16:00 11月貿易収支(10月 -18.1億ドル)

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