トルコリラ円見通し 10月末からの持ち合い下放れだが、目先は下げ一服(19/12/11)

流れとしては10月後半からの持ち合いを下放れ始めた事による先安感が優勢な印象だ。

トルコリラ円見通し 10月末からの持ち合い下放れだが、目先は下げ一服(19/12/11)

【概況】

トルコリラ円は12月2日午後高値で19.08円を付けて11月21日夜高値19.07円をわずかに超えて10月31日未明高値と同値としたが、その後は反落に転じて12月3日深夜には18.83円まで下落した。6日午後までは下げ渋っていたものの6日夜の米雇用統計前に3日深夜安値を割り込み、米雇用統計が予想以上の良好さだったことによるドル全面高で7日未明には18.73円まで一段安となった。この段階で10月末以降の持ち合い相場の最安値であった11月15日未明安値18.77円を割り込んで持ち合い下放れとなった。

米雇用統計からのドル高リラ安に加え、ドル円が米雇用統計直後にいったん反騰したものの早々に失速して元の水準まで押し返される円高となったため、ドル/トルコリラによるリラ安とドル円での円高が重なったことが持ち合い下放れの背景となった。
ドル/トルコリラでのドル高が9日、10日午後へと続き、また持ち合い下放れによる先安感も重なってトルコリラ円も12月9日、10日と安値を切り下げ、10日夕刻には18.64円を付けて10月23日以来の安値となった。しかし夕刻からはダウ先物が下落する中でドル/トルコリラでのドル高にブレーキがかかり、ドル円も9日安値108.40円で4日安値108.41円をわずかに割り込んだものの両安値をダブル底型として持ち直し、トルコリラ円も夕刻安値からはやや買い戻される動きとなった。

シリア情勢が落ち着く中でトルコ景気関連でも12月12日のトルコ中銀の政策金利発表前ということで独自材料にかける中、米中問題を中心としたドルストレート及びクロス円全般の動きを見ながらの展開に入っている。
12月12日未明に米連銀のFOMC、12日の英国は総選挙、12日夜にはECB理事会、12月15日には米国による対中制裁関税第4弾発動予定と重要イベントが続く。金融市場全般を大きく左右するイベントとなるため、トルコリラ円もそれらの反応次第で急騰も急落もあり得るところだが、流れとしては10月後半からの持ち合いを下放れ始めた事による先安感が優勢な印象だ。日足のボリンジャーバンドでは持ち合いの煮詰まりを示す収縮から動意付いた証としての膨張に入っている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月3日深夜安値と4日夕刻安値をダブル底としていたが、6日夜に底割れして12月5日早朝高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りした。ボトム形成期は4日夕安値を基準とすれば9日夕から11日夕にかけての間と想定されたが、10日夕安値へ一段安してからの反発で18.70円超えへ戻しているため、10日夕安値を直近のサイクルボトムとする。

今回のトップ形成期は10日午後から12日朝にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあるが、10日夕安値を割り込まないうちは上昇余地ありとし、10日夕安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして13日夕から17日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10日夜の反発で遅行スパンが好転し、先行スパンへ潜り込んでいる。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、10日深夜高値超えからは先行スパン上限を目指すとみるが、先行スパンから転落の場合は下げ再開注意とし、遅行スパンも悪化するところからは下げ再開とみて安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9日夕刻から10日夕刻への安値更新に対して指数のボトムが切り上がる強気逆行型となって250ポイント超えへ上昇したが、その後は伸び悩んでいる。50ポイントを割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとするが、50ポイント割れから続落の場合は下げ再開注意とし、40ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
中勢は10月後半からの持ち合い下放れによる下落基調で推移しやすいと見て、短期的に戻すところは戻り売りにつかまりやすいと考える。
(1)当初、12月10日夕安値18.64円を下値支持線、10日深夜高値18.73円を上値抵抗線とみる。
(2)18.64円以上での推移中は10日深夜高値超えから18.80円試しを想定する。18.80円以上は反落注意とみるが18.70円以上での推移なら12日の日中も高値を試しやすいとみる。また米中関連や米FOMC関連で急伸の場合は18.90円まで上値目途を引き上げる。
(3)10日夕安値割れからは新たな弱気サイクル入りとみて18.50円前後への下落を想定する。18.50円以下は反騰注意だが、米中関連や米FOMC関連で売られる場合は18.40円台前半まで下値目途を引き下げる。

【最近のトルコ・シリア情勢推移】

10月14日 米国がトルコに経済制裁発動
10月23日 トルコが米国提案の恒久的停戦を受け入れ、米国のトルコ制裁解除
10月27日 トランプ大統領、IS指導者バグダディ氏殺害を報告。
10月29日 米下院によるトルコ制裁決議可決
11月01日 トルコとロシア、シリア北東部の合同巡回開始
11月11日 トルコ政府、IS戦闘員の本国送還を開始
11月13日 トランプ米大統領とエルドアン大統領がワシントンで首脳会談
11月23日 トルコ国防相、米国がF35売らないなら別の道を選択
11月23日 第14回シリア保証国会議を12月10-11日に開催
11月25日 トルコがロシア製S400ミサイルシステムの試験開始
11月26日 シリア北部ラスアルアイン付近で自動車爆弾による大規模テロ事件発生
12月03日 NATO首脳会議、英独仏とトルコの首脳会談
      米トランプ大統領、トルコのロシア製ミサイル調達への制裁検討中と発言
12月04日 米トランプ大統領とエルドアン大統領会談、特に動き無し

【当面の主な経済指標等の予定】

12月11日 
16:00 10月経常収支 (9月 24.8億ドル、予想 16.0億ドル)

12月12日 
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.00%、予想 12.50%)

12月13日 
16:00 10月鉱工業生産 前年同月比 (9月 3.4%)

12月16日 
16:00 9月失業率 (8月 14.0%)
16:00 10月小売売上高 前月比 (9月 0.6%)
16:00 10月小売売上高 前年比 (9月 2.7%)

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る