トルコリラ円レポート月曜版(2019年12月2日)

予想よりも若干狭いレンジでの動きとなった一週間でした。

トルコリラ円レポート月曜版(2019年12月2日)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに強い理由とは言えないものの過去の取引水準から考え「18.80レベルをサポートに、19.10レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.87レベル、高値が19.08レベルと、予想よりも若干狭いレンジでの動きとなった一週間でした。

先週のトルコリラ円は、米国の感謝祭で全般に取引が低迷する中で主要通貨に目立った動きが無く、またトルコ関連の材料も特に無かったことから前週のレンジ内で更に上下を若干狭める動きとなりました。主要通貨のみならず新興国通貨も動きが鈍いとなると、いわゆるトレードをするには面白みが無いのですが、高金利通貨でスワップ狙いをしている人にとっては好都合とも言える状況です。ただ、トルコリラ円の買いポジションについては、ここ2週間ほど目立った変化はありませんので、スワップ狙いの本邦個人投資家も動かずといったところだったようです。

さて今週はいくつか目立ったイベントがあります。まず、本日2日に7〜9月期GDPと製造業PMI、3日にCPI、3〜4日にNATO首脳会議と続きます。

まずGDPですが1〜3月期が−2.6%、4〜6月期が−1.5%と2期連続で前年比マイナスとなっていて、米国基準で考えるならば2四半期連続でGDPがマイナス成長となっているため、リセッションの状況と言えます。今回の7〜9月期GDPは予想が+1.0%とリセッションから抜け出す予想となっています。多少の前後はあってもプラスであればよいですが、もし大きく下振れして3期連続でマイナスということになるとトルコリラ売りにつながりやすいと言えます。

またCPIは年率で前月の8.55%からやや上昇して11.0%となっていますが、来週にはトルコ中銀の金融政策決定会合もあり、11.0%に上昇程度ではこれまでの利下げ路線に変化は無いと考えられます。現状トルコの政策金利は14.0%ですから、1〜2%の利下げが行われる可能性は依然として高いのですが、仮にCPIが12%を超えてくるようだと中銀の判断に影響が出てくるかもしれません。念の為、こちらも注意しておきたいところです。

そして、NATO首脳会議ですが、トルコがNATO加盟国としてロシアからミサイルを購入したことはかねてより問題視されていて、今回の会議でも議題のひとつと言われています。トランプ大統領とエルドアン大統領は、このところ良い関係が続いているようですから、米国からの購入も含めてトルコの軍備に対して何らかの進展が見られるかもしれません。こちらも一応注意しておきたいイベントです。

こうして見ると、経済指標に関してはまずGDPがプラスに転じるか、CPIはこれまで同様に落ち着いているか、これら2点を見極めたうえでNATOにおける軍事外交がトルコにとってどのような流れになるかを見るというところです。ただ、よほど数字が振れるとか、あるいはNATO会議で紛糾するとかでもない限り、最近のトルコリラの底固い地合いに大きな変化は見られないものと見ています。

テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

しばらく横方向の動きとなっていることは明白ですが、上のレジスタンス兼ターゲットは10月高値の19.16レベルと見て間違いなさそうです。また下のサポートは先週、先々週と2週続けて安値圏となった18.85レベルで、こちらも問題の無いチャートです。

以前のトルコリラ円であれば30銭の値幅は狭いという感じですが、最近は値幅が20銭程度しかありませんので、よほどのことが無ければ30銭レンジで十分でしょう。今週は18.85レベルをサポートに19.15レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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