ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、レンジ拡大に動くかは疑問ではあるものの「7.25レベルをサポートに7.45レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.29レベル、高値が7.45レベルと、予想よりも若干狭いレンジでの動きとなった一週間でした。
先週のランド円は、中銀会合とS&Pの格付け見直しという2大イベントがありましたが、週前半はイベントを前にして前週までのやや上値が重たい流れを継続しました。20日の中銀会合では予想通り現状維持、また総裁会見では今年来年とも成長率の見通しを0.1%下方修正しました。ただ、想定の範囲内ということもあって、これによる市場の反応は弱く週後半は週前半の下げに対する調整が目立ち、金曜には前週高値をわずかに上抜ける動きとなりました。
そして、金曜のNY引け間際にS&Pが格付け見直しで格付けは現状維持、見通しは安定的からネガティブとしたことで、次回以降の更なる格付け引き下げが懸念されることとなったものの、S&Pは南アに対して既に投資不適格(ジャンク)としているため、こちらもまた目立った反応は見られませんでした。
他の金融市場では米中協議の行方が一段の混迷につながるとは考えても思いのほかリスクオン姿勢が引きません。株式市場は先週に高値を付けた感が強いものの大きな調整とはなっていませんし、円相場もリスクオンでも無いものの、もみあい横方向の動きです。テクニカルにはどうなのか、今週はまた週足チャートから見ていきます。
今週は経済指標を含めて南ア関連の材料よりも米中間の通商協議の進展具合や香港人権法案に対してトランプ大統領がどのような対応を見せるかのほうが注目ですが、ドル円の週報にも書いた通り、上下院ともほぼ全会一致で可決したことから仮にトランプ大統領が拒否権を発動しても議会の再議決で引っくり返されることとなり、署名すると見ておいたほうがよいでしょう。
しかし、そうなると中国は黙っていることは無く内政干渉だと強く抗議してくることとなり、政治的な問題が通商協議の進展に影響を及ぼすことになるリスクがあります。仮に中国側が通商協議のテーブルから離れることになればトランプ大統領はこれまで猶予していた制裁関税発動に踏み切る可能性があり、南アにとっても中国のさらなる景気減速懸念は悪材料となってきます。
世界経済のためにも中国には大人の対応を期待したいところですが、果たしてどうなるでしょうか。下院での可決が20日でしたから、署名期限は今月末です。感謝祭の祝日もありますが署名の件と、それに対応した中国からの発言が気になります。
他の金融市場では米中協議の行方が一段の混迷につながるとは考えても思いのほかリスクオン姿勢が引きません。株式市場は先週に高値を付けた感が強いものの大きな調整とはなっていませんし、円相場もリスクオンでも無いものの、もみあい横方向の動きです。テクニカルにはどうなのか、今週はまた週足チャートから見ていきます。
2018年高値からのレジスタンスライン(ピンクの太線)に今週はまさに接する位置となっています。ここを上抜けてくるとテクニカルには強いのですが、材料を考えると今回もこのレジスタンスで反落する可能性を考えた方が良いと思えます。拡大してみましょう。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週金曜高値で一瞬ですが、上ヒゲで上抜ける動きを見せ、いまも依然としてレジスタンスラインに至近距離です。今週も上ヒゲで抜ける程度で、大きくはレジスタンスよりも下での推移がメインシナリオです。一方下値もあまり期待できそうもないため、過去3週間の安値圏と重なる水準がサポートとなりそうです。あるいは上昇ウェッジでのサポート(ピンクの細線)が強いサポートとなるでしょう。
今週は、米中間の対立がどのようになるのかを見ながら、両国関係に対する懸念が強まると見て、先週同様に7.25レベルをサポートに7.45レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.18
東京市場のドルは154円20銭水準で推移、G20中で市場は介入実施は難しいとの見方(24/4/18)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、一時153円台を付ける場面見られたが、瞬間的な動きに留まり154円20銭台で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.04.18
ドル円、神田財務官の発言に一時154円を割り込むも底堅い (4/18午前)
18日午前の東京市場で、ドル円は154円前半でもみ合い後、一時急反落。
-
ユーロ(EUR)の記事
Edited by:川合 美智子
2024.04.18
ユーロ円 上値余地を探る動き。急伸にも繋がり難い状態(24/4/18)
昨日の海外市場では、ユーロが対ドルで上昇し、ユーロ/円は小幅続伸して引けました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.11.30
南アランド週報 『第3四半期GDPに注目。不冴えなら南アランド反落の恐れも』(19/11/30)
南アフリカランド・円相場は、テクニカル的に「底堅さ」が見られるものの、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が想定されます。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.11.23
南アランド週報 『冴えないファンダメンタルズが上値を阻む展開。米中を巡る続報に要警戒』(19/11/23)
今週の南アフリカランド円相場は、週央にかけて下げ幅を広げるも、一目均衡表基準線に続落を阻まれると、週後半にかけて反発に転じました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。