トルコリラ円見通し 19円台は重く、11月4日夜からの下落基調の範囲(11/7)

トルコ大統領府は11月6日にエルドアン大統領がトランプ米大統領と電話協議し、11月13日にワシントンで会談すると発表した。

トルコリラ円見通し 19円台は重く、11月4日夜からの下落基調の範囲(11/7)

【概況】

トルコリラ円は中東・シリア情勢一服、トルコ中銀による利下げも通過してトルコ独自材料に乏しい中で金融市場全般の動向を見ながらの展開となっている。
トルコリラ円は10月31日未明の米FOMC直後の高値19.08円からはクロス円全般の円高圧力で売られて、11月1日夕刻安値18.79円まで下げた。その後は米中協議進展期待を背景とした株高円安に乗じて11月4日高値19.05円まで戻した。しかし10月31日未明高値を超えずに失速し、5日夜、6日夜と戻り高値を切り下げつつジリ安基調で推移している。

ドル円は11月6日未明に109.24円をつけて10月31日未明高値109.28円に迫ったものの高値更新できず、6日夜は米中通商協議の第1段階合意への署名が12月へずれ込むとの報道により108円台後半へ下げている。一方でドル/トルコリラは11月4日からのドル高リラ安基調が続いているが、6日はわずかに戻り高値を切り上げたものの前日とほぼ変わらずの水準で終了している。このためトルコリラ円は円高にやや押される状況でジリ安となり、6日夕刻に18.87円へ下落、7日未明安値で18.85円まで安値を切り下げて5日朝安値18.88円を割り込んだが、その後はやや下げ渋っている。
米中協議の進展期待でクロス円全般が上昇していた流れが6日未明以降は押し返されており、ユーロ円やポンド円、豪ドル円等が下落しており、トルコリラ円もクロス円全般の円高を意識した展開で進みやすい状況と思われる。

トルコ大統領府は11月6日にエルドアン大統領がトランプ米大統領と電話協議し、11月13日にワシントンで会談すると発表した。米大統領側からの招待とされる。エルドアン大統領は、米国の軍事作戦で殺害されたIS指導者バグダディ氏の妻と姉をトルコ政府が拘束していると発表した。為替市場への影響はみられないが、トルコと米国の両首脳が融和的なスタンスの内は中東・シリア情勢におけるリスク回避的なリラ売りの不安も市場のテーマとしては暫く脇に置かれる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月1日夕安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしていたが、11月4日夜からの反落により5日午前時点ではすでに10月31日未明と11月4日夜の両高値でダブルトップを付けてしまった可能性があるとした。11月5日朝安値の後は新たな安値更新を回避していたが戻り高値が切り下がりで推移し、11月4日夜高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当として11月4日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期を6日午後から8日夕にかけての間とした。
6日夜も戻り高値切り下がりと安値の切り下がりが続いているのでまだボトム形成への下落余地ありとみるが、前回ボトムから3日を経過しているので18.95円超えからは強気転換注意とし、19.00円超えからは強気サイクル入りとして7日夜から11日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では11月4日夜からの反落で遅行スパンが悪化し、6日夕刻の下落で先行スパンからも転落した。7日午前時点も両スパン揃っての悪化が続いているため、遅行スパン悪化中の安値試し継続とみる。18.97円を超えてくると両スパン揃って好転してくるため戻りを試しにかかるとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数はジリ安推移のなかで50ポイントを超えるところは戻り売りにつかまるという展開が続いている。60ポイントを超えてくると上昇再開感が強まるとみるが、50ポイントを超えても維持できない内はまだ一段安余地ありと注意するところか。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月7日未明安値18.85円を下値支持線、18.97円を上値抵抗線とする。
(2)18.97円を超えない内はい一段安余地ありとし、7日未明安値割れからは1日夕安値18.79円試しを想定する。18.80円以下は反発注意とするが、7日朝高値18.94円を下回る内は8日にかけてもまだ安値を試す可能性が残るとみる。
(3)18.97円超えからは強気サイクル入りの可能性ありとして19.00円試し、さらにリスクオン優勢でクロス円全般が上昇する流れに乗る場合は11月4日夜高値19.05円試しへ向かうとみる。また18.97円以上での推移なら8日も高値を試し続けやすいとみる。

【直近の主な経済指標等の結果】

10月24日
20:00 トルコ中銀(TCMB)政策金利 14.0% (従来 16.5%、予想 15.5%)
10月25日
16:00 10月製造業信頼感指数 100.9 (9月 98.8)A
16:00 10月設備稼働率 76.4% (9月 76.3%)
10月30日
16:00 10月経済信頼感指数 89.6(9月 86.0)
10月31日
16:00 9月貿易収支 -20.6億ドル(8月 -25億ドル)
20:00 トルコ中銀 MPC議事要旨、インフレレポート
11月01日
16:00 10月イスタンブール製造業PMI 49.0(9月 50.0)
11月04日
16:00 10月消費者物価 前年比 8.55%(9月 9.26%)
16:00 10月消費者物価 前月比 2.00%(9月 0.99%)
16:00 10月生産者物価 前年比 1.70%(9月 2.45%)
16:00 10月生産者物価 前月比 0.17%(9月 0.13%)

【当面の主な経済指標等の予定】

1月07日
23:30 10月財務省現金残高 (9月 21.65億トルコリラ
11月12日
16:00 9月経常収支 (8月 26億ドル)
19:30 10月自動車生産 前年比
11月14日
16:00 9月鉱工業生産 前年比 (8月 -3.6%)

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