ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、ムーディーズの格付け見直しにおいてサプライズが無ければ基本的にランドが底堅い動きを続けやすく「7.30レベルをサポートに、7.50をレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.12レベル、高値が7.51レベルと予想よりも下値を拡げる結果となりました。
このランド売りは先週木曜のショートコメントに書いた通りですが、南アフリカの中期財政計画において国営電力会社エスコムに対する新たな支援計画、さらに国営航空会社SAAからの返済が遅れていることに触れられていたことがきっかけです。FOMC前で市場参加者が油断していたこともあったと思いますが、ランドは対ドル対円ともに下げることとなりました。
これもショートコメントに書いたことですが、金曜にムーディーズが格付け見直しをする際に悪影響を及ぼすのではないかという懸念があったためです。ただアウトルック(見通し)こそ安定的からネガティブへと下げられたものの、格付け自体はジャンクを免れたことでその後のランドは下げ止まる動きとなっています。次回の格付け見直しまで延命されたものの、次回(来年春ごろ?)は正念場となりそうです。
今週は南ア関連では細かい経済指標は出てきますが、方向感が出てくるほどのものはありません。それよりも最大の貿易国である中国のPMIや貿易収支、また表向き協議進展しているように報じられている米中通商協議の行方、これらの影響の方が大きいように思えます。
ということで、テクニカルに見ていきましょう。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
面白いことに以前引いたサポートラインの水準で先週後半に下げ止まり、週明けのアジア時間にはムーディーズを無事に乗り切ったという安心感がランド買いを先行させ、中期財政計画の第一報で下げた直後の水準まで戻してきています。現在の水準は大きなチャンネルの中間点あたりにいることから、どちらにも動きやすいと言えますが、地合いとしては目先の底をいったん打ったという感じでしょう。
今週はイベント経過とテクニカルな面と双方から押し目買いが出やすい週を考え、7.15レベルをサポートに7.45レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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