南アランド週報 『中期財政計画に注目。財政悪化→格下げリスク→ランド売りへの波及に警戒』(19/10/26)

今週の南アフリカランド・円相場は、一目均衡表雲上限に下支えされる形で反発に転じました。

南アランド週報 『中期財政計画に注目。財政悪化→格下げリスク→ランド売りへの波及に警戒』(19/10/26)

中期財政計画に注目。財政悪化→格下げリスク→ランド売りへの波及に警戒

今週のレビュー(10/21−10/25)

今週の南アフリカランド・円(ZARJPY)相場は、@10/19の英議会審議で採決が見送られたことに伴うリスク回避的な円買いが重石となり、週明け(10/21)海外時間に、安値7.296円まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限に下支えされると、A10/22にエスコムに対する590億ランドの追加融資を行う特別歳出予算案が承認されたことや、B10/23に発表された南ア・9月消費者物価指数(結果4.1%、予想4.3%)でインフレ鈍化が確認されたこと、C来週10/30に予定されている中期財政計画への期待感が支援材料となり、週末にかけては、約2ヵ月半ぶり高値7.461円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局、7.426円付近での越週となっております。

来週の見通し(10/28−11/1)

今週の南アフリカランド・円相場は、一目均衡表雲上限に下支えされる形で反発に転じました。強い買いシグナルを表す三役好転も出現するなど、テクニカル的にみて「続伸」を期待させるチャート形状となりつつあります。9/13高値7.459円を突破できたことで、ダウ理論的に見ても、昨年来続いてきた中期下落トレンドの終焉(上昇トレンドへの転換)が意識されます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る減速懸念や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念)、B米中対立激化を背景とした南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念、C大手格付け機関の中で唯一投資適格級を付与しているムーディーズによる格下げリスクなど、不安材料は山積みです。

以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。事実今週も、直近高値7.459円を抜けた後に伸び悩む展開となりました。背景には、11/1に迫るムーディーズによる定例格付け見直しを前に、積極的に上値を追いづらいムードが挙げられます。市場では、格下げか否かを予測する上で、来週10/30に予定されている中期財政計画に注目が集まっております。エスコムを含む国営企業改革案で大幅な財政悪化見通しが示されれば、「格下げリスク→南アランド売り」の流れが強まる可能性もあり、来週は南アランドの反落に注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ ZARJPY 7.200ー7.600

中期財政計画に注目。財政悪化→格下げリスク→ランド売りへの波及に警戒

南アフリカランド円 日足

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