ユーロ 欧州委経済見通し引き下げで下値広大
7日の東京市場でユーロドルは横ばい推移。昨晩海外市場では12月ドイツの製造業受注の不冴えに続きIMFが公表したイタリアの経済レビューで成長率が23年にかけて1%以下に留まるとの見方が示されたことでユーロドルは1.13台半ばまで下落。その後の東京時間も大きな動きは無いながらじり安となり、安値1.1354をつけました。
しかし、夕刻発表されたドイツの12月鉱工業生産は、またしても前月比プラスの予想に対してマイナスの結果となり欧州勢参入後にユーロドルは下げ幅を拡大。さらに欧州委員会が公表した経済見通しで欧州圏、域内各国の経済見通しが大幅に引き下げられたことが追い討ちをかけ、ユーロドルは一時1.1332の安値をつけた後東京時間19:30現在は1.1335-40レベルと引き続きユーロ安値圏での取引です。
欧州委員会は19:00に発表した最新の経済見通しで、ユーロ圏の2019年の経済成長率の見通しを従来の+1.9%から+1.3%に消費者物価指数の見通しを+1.8%から+1.4%に引き下げました。また、リセッション入りが確認されたイタリアに関しては従来+1.2%だった成長率の見通しを+0.2%まで引き下げています。経済担当のモスコビッチ委員は景気減速のスピードと持続期間は従来の予想以上と述べ、原因として世界貿易の不透明感を挙げています。
テクニカルには本日の下げでユーロドルは一目均衡表の「雲」の下限を突き破り、昨年11月中旬からの上昇トレンドラインを再び割り込む動きとなっています。
今のところは中期膠着レンジの中央付近を大きくは外れておらず、下落加速には至っていませんが、このところの欧州圏の経済先行き懸念を裏付ける材料が揃ってきており、要警戒です。ユーロドルの当面の下値目途は1月24日の安値1.1290、そこを下抜けた場合にはこの下げが中期レンジの下限エリア1.1216-1.1267にまで下げを広げるかがポイントとなってきます。
序盤の欧州株価指数先物はほぼ全面安。今晩この後21:00に英中銀政策金利発表、22:30には米新規失業保険申請者数の発表があります。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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