トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「上値の重たい展開を考えざるを得ず、24.00レベルをサポートに、25.00レベルをレジスタンスとする流れ」を考えました。実際のレンジは、安値が22.27レベル、高値が24.67レベルと大台を3つも見る大荒れ相場となりました。トルコリラは対ドル、対円で大きく史上最安値を更新し、トルコ中銀は実質的な政策金利となっている後期流動性貸出金利を3.0%緊急利上げし、16.5%と通貨防衛に出たものの、その後は再び売りが強まったことは先週のコラムにも書いた通りです。
トルコリラがここまで売り込まれる理由は、同じ新興国通貨の中でもアルゼンチンペソを筆頭に弱い新興国通貨として分類され、トルコリラに入っていた資金が大きく流出していることによるものです。米金利上昇が直接のきっかけとはいえ、エルドアン大統領の強権政治と6月の選挙に向けての不透明さもリラ安に輪をかけているとしか言えないでしょう。
そうした中で本邦個人投資家のトルコリラ買いポジションも強制決済で大きく減る動き(先週だけで10〜20%程度)が見られましたが、それでもまだまだ買いポジションに大きく偏っています。今週も経済指標の発表等あるものの、不安定な動きの中では次に強制決済がかかるとするとどこなのだろうかといった、買いポジションのストップ水準のみが懸念材料となりますし、目立った買い材料もなくトルコ中銀の防衛策のみに頼っている状況では、戻りは限定的と考えざるを得ないでしょう。
4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
とりあえず、この3週間のレジスタンスラインのみ引きましたが、長期テクニカル的には20円の大台を試す可能性があることは以前も書いた通りです。ポジションを持っている方も多いので今週は波乱が無いことは願いたいですが、引き続き戻り売りが出やすい地合いは変わらなそうです。23.70レベルをレジスタンスに22.50レベルをサポートとする週を見ておきます。
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