ランド円レポート月曜版(17/11/13)

先週は、前週にムーディーズが南アフリカ財務相にヒアリングに行くことが発表されたことが尾を引いて上値の重たい展開が続いていましたが、

ランド円レポート月曜版(17/11/13)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「上値が重たい展開を考え、8.15レベルをレジスタンスに、年初来安値をトライし7.85レベルをサポートとする週」としました。実際のレンジは、安値が7.84レベル、高値が8.08レベルと、予想通りに上値が重たくなり、年初来安値(7.88)を更新することとなりました。

先週は、前週にムーディーズが南アフリカ財務相にヒアリングに行くことが発表されたことが尾を引いて上値の重たい展開が続いていましたが、ただでさえ財政赤字問題がランドの悪材料とされる中、9日にズマ大統領が教育の無償化を検討しているとのニュースが流れ、一段の財政悪化懸念からランド売りが出てランド円も年初来安値を更新することとなりました。

ムーディーズの格付け発表は11月24日と言われていますので、そこに向けたネガティブな材料が加わったことから、現状でのネガティブなアウトルックに沿って、いよいよジャンク債入りの懸念が強まってきました。あと10日ほどで結果はわかりますが、24日に向け引き続きランド安の懸念が続くこととなりそうです。

さて、これだけでは「悪材料があるため引き続き弱い」で終わってしまいますので、たまには全く違った観点で南アフリカの株価は最近どうなのかと見たところ、為替とは全く違いヨハネスブルグの株価指数も世界的な株高に引っ張られて史上最高値を付けていることがわかりました。

南アフリカの代表的な株価指数にFTSE JSE TOP40(FTが算出するヨハネスブルク証券取引所上位40社による株価指数)というものがありますが、日経平均株価同様に年初から上昇を続け、先週は7日に過去最高値を記録しています。

実際に皆さんの目で確認していただくとわかりますが、主な情報ベンダーのサイトでJSETOP40の値動きを確認することができます。過去1年間で主要株価を7日時点で比較すると以下のようになっていました。

JSE TOP40 +23.85%
NYダウ +24.86%
日経平均株価 +29.79%

これを見るとわかりますが、ここに来て上げてきている日経平均株価や上げ続けているNYダウに近い上昇となっていることがわかります。日経電子版の記事にもありましたが、中期的な要因としては資源高、短期的には米金利の上昇が鈍ってきたことを上げていますが、世界的に株価が上昇する中で投資先として新興国の株にもお金が流れている結果と考えられます。

しかし、日米の株価を見ているとかなりの高水準に来ていますし、リスクオフの動きが強まる時には主要株価以上に新興国の株価指数はダメージを受けやすい面があり、政治経済や通貨とは違ったところで南アフリカにもバブルのような動きが出ているという事実には注意が必要かもしれません。

今後の同国の政治経済の状況によっては南アフリカの株価指数の下げが起こるかもしれず、そうした時にはランド安が加速するリスクが強いと思われます。いまのところはまだそうした予兆は無いものの、今後は継続して見ておく必要があるのではないかと感じたため、今日のテーマとしました。

さて、それでは話をランドに戻し、いつもの4時間足チャート(上かランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

       ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足

       ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足

年初来安値(ピンクの水平線)を割り込んでからも上値が重たい展開となっていますが、上段の対円でも中段の対ドルでも焦りは感じられず、思いのほか落ち着いた動きをしています。それでも、下押し圧力は強いと考えざるを得ず、現在はピンクの平行線で示した下降チャンネルの中で着実に下値を切り下げる展開にあると考えられます。

今週も一段と上値が重たい展開を考え、8.05レベルをレジスタンスに、チャンネル下限に近い7.70レベルをサポートとする週を見ておきます。

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る