ユーロ調整続く、地政学リスクに一時乱高下
北朝鮮ICBM成功、リスク回避の円買いユーロ売りでユーロは下落
東京時間のユーロは昨日の対ドルでの下落からやや戻し、1.13台後半で方向感なく取引されていました。しかし、昼過ぎに北朝鮮が15:30に重大発表を行うとの報道がながれ、一方で今朝方発射されたミサイルがこれまでになく高高度に達しておりICBMの可能性があるとの観測が広がったことから、午後にはにわかに地政学リスクの高まりから「安全通貨」円の買戻しが顕著となりました。
最近、ECBの金融緩和終息観測と日銀漢和継続スタンスの開きからユーロ円の買いポジションが特に積みあがっていたこともあり、円の買い戻しの対価にユーロの占める割合が多かったためか、ユーロドルは同じタイミングで下落、14:30頃に安値1.1336をつけましたが、北朝鮮が「ICBM開発に成功」と発表した前後には逆にユーロが買い戻され1.1372まで上昇する局面もありました。その後欧州時間に入ってから再びユーロの売りが優勢となり、18:50現在1.1350近辺での取引とユーロはアジア時間にしては忙しい一日となりました。
米休場の薄商いでこの後も波乱含みか?
本日は米市場が独立記念日の薄いマーケットに北朝鮮がICBM実験を行って、成功を騒ぎ立てたためにユーロは乱高下する展開となりました。ただ、同じような動きをしたドル円が急落後に113円台を回復したまま水準を維持しているのに対し、ユーロの弱さが一層目立ちます。序盤の欧州株価指数先物もリスク回避の動きからほぼ全面安の様相となっており、今晩のユーロの見通しは楽観できません。
先ほど18:00に発表となったユーロ圏の生産者物価指数は前年比+3.3%と事前予想の+3.5%-を下回りましたが、為替市場は反応薄で、きっかけを探してユーロを売り込みたいという動きとは違うようなので、市場が冷静さを取り戻すにつれてユーロにも買戻しが入るものと思われますが、今晩は前述のとおり市場が薄く少しのトリガーで両方向動く可能性があり警戒が必要です。北朝鮮のICBM自体は一旦材料として消化されたこともあり、ユーロのパニック売りとはなっていないながら、上値は重く、状況によっては1.1300、1.1292等のサポートを試す動きもありうるものと思われます。今晩はユーロ圏では21:30のプラートECB理事講演がほぼ唯一の重要イベント。
オーダー/ポジション状況
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