豪州中銀議事録(2017年5月16日公表)

5月2日開催分

豪州中銀議事録(2017年5月16日公表)

豪州中銀議事録

(出所:豪州中銀HPから)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
委員達は3月末期のインフレについて、2月時点(政策会合時)で予測した概要に沿って議論した。
3月末期のインフレは一般的に2018年初までには約2%のインフレになるとの予測を勇気づけるものとなった。年末までには2%を少し越えるものとなろう。原油価格上げやたばこの値上げがインフレ上昇の要因となった。
但し、2017年12月末期の消費者物価指数のウェイト付が豪州統計局(ABS)に変更されることを委員達は確認した。相対的に大きく変わった価格動向要因に応じて、6年前まで遡り消費行動の変化を反映させたものになる。

また流通品価格は3月末期ではほとんど変わらなかった。小売部門の強い価格競争力が小売インフレを低く抑え込んでいる。これらは幅広い範囲で消費財に影響を与えていることを確認した。例えば、家具や家庭用品である。また前年の通貨高もおそらく消費価格に影響しているだろう。
非流通品価格のインフレに関して、住宅部門を含めて…いくつかの部門では強い価格圧力があった。これは素材価格の上昇が反映したものである。公益事業(ガス、電気、水道など)の価格も幾つかの都市で非常に上がった。委員達は公益事業価格が今後は他の都市でも上がっていくだろうとの見方を共有した。これにより事業費などへも影響を与えると思われる。

その他、賃金の伸びの低さや小売部門の強い価格競争力により、国内のコスト低下圧力が強まると見ている。また賃貸住宅の価格低下圧力は続くとみている。とりわけパース地域での下げ圧力は強い。また教育・医薬などの部門は通常よりは低いインフレに留まった。

2016年のGDPは約2.5%だった。データは4月までの数値を使っている。3月期までの数値は緩やかなペースで拡大を続けている。国内生産高の伸びは2018年上半期までは約3%まで上がると予想している。これは鉱山関連投資の下落が止まり、資源輸出の改善が続いているからである。

サイクロンデビー(デビー台風)の影響は明らかだった。インフラへの影響が甚大で、特に石炭輸出関連に大きな影響を与えた。石炭輸出は昨年6月末期には大きく落ち込んだ。だが、傷ついたインフラは回復した。また、最近では鉄鉱石価格が下落し、暫くの間それが続き、そして原油価格も下がった。

豪州の輸出は最近予想以上に拡大した。これは2016年央以降の交易改善の影響が大きかった。この先2〜3年後も期待できる。小売売上高の伸びや家計の観点から、消費の伸びは緩やかになるとみている。もし家計が債務の返済を強めれば家計消費の先行きは下がっていくと思われる

高額な住居建設は依然好調で、この先も住宅投資を下支えるとみている。人口増による住宅需要もあるが、それはシドニーやメルボルンの地域で、パースは弱いままである。
委員達は雇用に関しても概観した。失業率はここ数か月で若干上がった。しかし、先行きでは緩やかに下がっていくと予想している。
3月期の雇用についてはフルタイムの雇用が引き続き増加した。委員達はこれが2016年のパートタイム雇用増加とは対称的とみている。雇用の伸びはゆっくりと上昇し、この雇用市場の改善によって、賃金の伸びも上がっていくと予想している。

金融政策に関して、世界経済は依然前向きに推移していることを確認した。世界的なデータからみるとこれを裏付けているとみている。同時に、緩和条件の改善や現状の緩和基調の観点からインフレは上昇していくとみている。世界的な成長拡大は商品価格の上昇を下支えする。

国内のインフレについては3月末期に2%を越えたが、現状の中心は1.75%であり、2017年末に向けて、これが2%を越えて行くとみている。但し、賃金の低い伸びや価格競争力の強さをみれば、引き続きインフレを押し上げていく要因にはならないとみている。公共事業価格や住宅はインフレ要因になると予想している。
2013年以降の豪ドル安は経済成長の下支えだったが、通貨高はこれを複雑にしてしまう。
委員達は今後も労働市場と住宅市場を注視していく。現状取りえるデータを基に先行きを予想し、委員達は現状の緩和基調を維持して持続的な成長を狙い、インフレを目標値内に達成していくと判断。キャッシュレートを1.5%のまま据え置いた。
(要旨以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル/米ドルは議事録公表前0.7430米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.7405〜10米ドル付近まで小幅安になった程度です。議事録内容はある程度予想され、今回も特段相場に大きな影響与える内容はありませんでした。
現状の0.7410〜30米ドルゾーンは攻防の分岐点にもなっており、越えて行けば0.75米ドル付近までの上値余地ができ、下抜けば再度0.7340〜50米ドルまでの押しが入り易くなります。(5月16日14時00分、1豪ドル=0.7412米ドル)

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