トルコリラ円レポート月曜版(2017年4月10日)

先週初は上昇するCPIといった経済指標の影響もありましたが、最近では南アフリカの政治不安等、新興国通貨全般に対する投資スタンスが弱まっていることに加え

トルコリラ円レポート月曜版(2017年4月10日)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「トルコリラ安の可能性があるということは注意しつつ、30.30レベルをサポートに、30.90レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が29.38レベル、高値が30.62レベルと、大幅なトルコリラ安の週となっています。

先週初は上昇するCPIといった経済指標の影響もありましたが、最近では南アフリカの政治不安等、新興国通貨全般に対する投資スタンスが弱まっていることに加え、今週末のトルコの国民投票に向けトルコに対する投資の見直しが一段と強まる可能性を嫌気しての動きが見られました。米国によるシリア空爆も悪材料となっています。そうした動きの中で、最近は比較的落ち着いた動きを示していたトルコリラ円が30円の大台を再び割り込んできたことで、ストップオーダーも散見された展開でした。

さて、今週は最大の注目材料としてトルコの国民投票が16日に行われます。この国民投票では、象徴的地位の大統領に権限を集中させる憲法改正が問われています。実際は既にその状態にありますが、憲法が改正されることでエルドアン大統領に行政の権力が裏付けされ、さらなる強権政治が長期に渡って続くこととなります。

外部から見れば当然のように懸念材料ですが、トルコ国民もこの憲法改正には世論が二分していて、賛成4割、反対4割というのが現段階の世論調査も含めた見方となっています。ただ、これまでのエルドアン大統領の態度を考えると何が何でも改憲を行い独裁状態に持っていこうと考えるでしょうし、IS(イスラム過激派)も国民投票に対してイスラム教徒は投票所に行くべきではないとテロを呼び掛けています。

国民投票によって憲法改正となってもトルコにとって悪材料、反対が多かった場合の今後のエルドアン大統領の動きを考えても悪材料、さらにはISによるテロが現実となっても悪材料と、イベントを過ぎてもトルコリラを買う材料が見当たらないというのが多くの投資家のコンセンサスであると言えるでしょう。

実際には今週末なので金曜までは動きにくい流れとなりそうですが、テクニカルには決して安心できるチャートとはなっていません。トルコリラ円の日足チャートをご覧ください。

             トルコリラ円日足

             トルコリラ円日足

1月安値29.07から2月には31.70まで水準を切り上げましたが、3月高値は31.44と高値を切り下げ、そして先週の30円の大台割れです。チャート的には1月安値29.07をトライしやすい形であるとともに、仮に29.07を割り込むと大幅安と30円の大台にさようならパターンの値動きを演じることとなるリスクが高いと言えます。

週末の国民投票前の動きでは無いと思われるものの、引き続きトルコリラは対ドル、対円ともに弱い動きを継続しやすいと考えられます。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

     トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足

中段のドルトルコリラを見ていただきたいのですが、3月9日のトルコリラ安値(ドル高値)である3.7859レベルは既に視野に入れ、ここを上抜けて来ると1月11日につけたトルコリラ最安値3.9420そして、4.0の大台を目指しやすい流れです。

現在のトルコリラの動きには十二分に警戒した上で、今週は引き続き上値の重たい展開を考え、30.10レベルをレジスタンスに、29.10レベルをサポートとする流れを見ておきます。

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