トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「30.10レベルをサポートに、30.90レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が30.28レベル、高値が31.04レベルと、予想レンジよりも高めのレンジとなりました。
先週はあまり目立った材料も無く、ドルの動きとして週前半は円安が先行し、週後半はトルコリラ安が付いてきたといった印象ですが、週末11日にオランダ政府がトルコの外相が乗った航空機の着陸を拒否したという事件がありました。
トルコのチャブシオール外相は、オランダ国内に多数いるトルコ系住民が開くエルドアン大統領支持集会に参加する予定でしたが、オランダ側は安全のため入国させなかったとのコメントを出しています。その結果、トルコ系住民による集会自体が中止されましたが、今後オランダとトルコの関係悪化は避けられず、トルコ側は制裁についても言及しています。
この動きがすぐにトルコリラに影響があるとは思えませんが、オランダだけでなく他の欧州諸国との関係にも影響が出る可能性もあり、トルコリラ安の要因として効いてくる可能性があるかもしれず、しばらくはトルコリラに関しては材料視されるでしょう。
また今週は16日にトルコ中銀の金融政策決定会合があります。前日15日に利上げが予定されている米国との金利差がトルコからの資金流出の懸念材料となりますし、通貨安による国内経済への影響を考えると16日の会合においても上限金利を引き上げる可能性は高いものと考えられます。
大きくはこれら2つが現在のトルコリラ市場の材料と考えられますが、前者がトルコリラ安、後者が思惑的にトルコリラ高に作用します。他の材料としては当然、日米両国の金融政策決定会合が材料となりますが、トルコ中銀が利上げを行えばややトルコリラ高の方向に動くものの、現状維持となった場合には他の材料から考えてトルコリラ安に動きやすくなると考えられます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をごらんください。
トルコリラ円四時間足
トルコリラ円は2月23日に高値を付けて以降は緩やかな下降チャンネルの中での推移を続けています。現状は金曜高値からやや反落する動きとなっていますが、テクニカルにはこの金曜高値圏をレジスタンス、直近安値を下回り30円の大台方向に向かっている流れと考えることができます。
今週は30.00の大台をサポートに、30.90レベルをサポートとする流れを見ておきますが、トルコ中銀の結果次第では会合後に下振れするリスクは考えておきたいところです。
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