豪州中銀議事録(2016年12月20日公表)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

豪州中銀議事録(2016年12月20日公表)

豪州中銀議事録(理事会は12月6日開催分) (出所:豪州中銀HPから)

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

(議事録要旨)
委員達はまず10月の雇用統計が5.6%と前月と変わらず、前年比0.5%の改善であったことを確認しながら、国内経済について議論した。

雇用はフルタイムの労働者が増え、より多くの労働時間を分かち合えることができた。一方で、賃金の伸びは低いままで、失業率との歴史的相関が無きままになっている。賃金指数は9月の予想よりも僅かに低い伸びに留まった。最近、建設業の成長が大きくなっているが、これは全労働から見ると割合は小さい。
9月末四半期GDPは11月時点で予想していたものよりも弱かった。潜在成長率を下回っている。

消費は9月末四半期を見ると、平均以下になった。全消費の1/3を占める小売売上高はほとんど変わらなかった。但し、ここ数か月では小売売上の量は平均を上回ってきている。
住宅関連は民間住宅建設が9月に下落し、住宅投資も下落気味である。また、10月には、建設許可件数が急激に落ちた。GDPに対する住宅関連の貢献が落ちると見られる。ただ、戸建ては依然として確りした内容になっている。特に、シドニーとメルボルンの住宅価格インフレは高水準のままになっている。企業投資は9月末では予想を下回った。
輸出量は増加した。これは6月と9月の商品価格改善の影響を受けている。11月の商品価格も上がり、12月の貿易にも好影響となろう。

豪ドルは前回会合よりも対米ドルで2%も安くなった。一方で、対円やその他のアジア通貨に対しては強くなっている。貿易加重平均ではほとんど変わらなかった。
豪州債の利回りや株は11月に上昇した。特に資源株が世界市場の改善を受けて大きく上がっている。商品価格の上昇を受けて、高配当株は下落した。

金融政策に関して、委員達は2011年以降の緩和局面に照らして金融政策を議論した。今回まで積極的にキャッシュレートを3.5%も下げてきた。低金利は経済を下支えし、予想下回るインフレに対抗してきた。委員達はこれまでの低金利が資産価格に与える影響や、家計の住宅借入の決断などについて議論した。とりわけ家計債務の水準が高くなっていることについて議論した。委員達は低金利の恩恵やインフレ目標達成のために必要な一方で、家計のバランスシートの潜在的リスクについて議論した。

12月の会合で、委員達は世界的な(経済)環境がここ数か月より前向き(ポジティブ)に変わってきたことを確認した。一方で、世界経済活動を限定させるリスクもある。
中国経済は積極的な財政・金融政策で経済活動は活発となっている。米国は選挙後のインフラ投資拡大で米国経済の先行き成長に期待が掛かっている。
国内的には9月末のGDPは予想を下回り、おそらく12月末の成長も下がることが予想されるが、その後は潜在成長率を上回ると見ている。鉱山関連の回復が下支えすると思われるが、為替が豪ドル高になればこの事態を複雑にしてしまう。
労働市場に幾分の不確実性は残るが、過去の失業率低下や労働時間の増加が予想を上回っている。更にパートタイムの雇用が強い。インフレは引き続き弱いが、いずれ通常の状態になると思われる。

以上の状況を勘案しこれまでの緩和基調を見た上で、委員達は現行の金融政策を1.5%のままで据え置きを決定した。低金利を継続することで、将来的なインフレ目標達成のための下支えができると見ている。
(要旨以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

今回の議事録も前回に続き、幾分先行き経済に対して、明るい見通しになっています。これまで通り緩和基調は継続するものの、追加緩和には触れていません。また今回は世界経済の先行きに対しても少し前向きになりかけています。引き続き豪ドル高に対する懸念は変わっていません。次回の金融政策でも据え置きが予想される内容となっています。

豪ドル/米ドル相場は議事録発表前に1豪ドル=0.7250米ドル付近でしたが、議事録はほとんど材料視されずに上下10ポイントのレンジで小動きとなっています。
依然豪ドルの上値が重く、0.7140〜50米ドルが当面の下値目途になっています。上値は0.7350米ドル越えて終わらないと豪ドル安リスクが高いままとなっています。(1豪ドル=0.7253米ドル、12月20日12時30分現在)

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