トルコリラ週報:『ドル円との同調相場が継続中。世銀は大地震の被害額推計値を発表』(3/4朝)

トルコリラの対円相場は、ドル円との「シンクロ相場」が続いています

トルコリラ週報:『ドル円との同調相場が継続中。世銀は大地震の被害額推計値を発表』(3/4朝)

『ドル円との同調相場が継続中。世銀は大地震の被害額推計値を発表』

〇今週のトルコ円、7.15-7.28レンジでドル円に同調した動き
〇世銀はトルコ大地震の物理的被害額を342億ドルと試算、再建にはその2-3倍必要とも
〇来週も、「ドル円上昇→トルコリラ円連れ高」の相場展開をメインシナリオとして予想
〇但し、対ドル相場が安定しつつも史上最安値を少しずつ更新し続けている点には注意が必要
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.00ー7.40

今週のレビュー(2/27−3/3)

政府・中銀による対ドルでの安定化政策が継続する中、今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週を通してドル円相場に同調する動きとなりました(対ドル相場が狭いレンジ内に固定されているため、トルコリラ円相場の動きはドル円相場に概ねシンクロ)。週初7.23円で寄り付いたトルコリラ円相場は、(1)トルコ2月経済信頼感指数(結果99.1、前回99.3)の冴えない結果や、(2)米FRBによる金融引き締め再加速観測(トルコから米国への資金流出圧力)、(3)トルコ経済の先行き懸念(大地震に伴う甚大な被害)が重石となり、週央にかけて、週間安値7.15円まで下落しました(対ドル相場は週明け早々に史上最安値を更新)。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)トルコ10ー12月期GDP(結果+3.5%、予想+2.9%)の市場予想を上回る結果(※但し前回の+4.0%や、前々回の+7.8%からは鈍化)や、(5)対主要通貨での円売り再開(円キャリートレード再開期待→ドル円・クロス円上昇→トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.28円まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/4午前2時30分現在)では、7.20円前後で推移しております。尚、世界銀行は2/27、トルコ南部のシリア国境付近で発生した大地震の直接的な物理的被害額が約342億ドル(約4.6兆円)に上るとの試算や、再建に必要な金額が上記被害額の2ー3倍に上る可能性があることを公表しました。

来週の見通し(3/6−3/10)

トルコリラの対円相場は、ドル円との「シンクロ相場」が続いています(市場はトルコ独自の材料に反応せず)。この為、トルコリラ円の先行きはドル円次第となっています。当方は、(1)米FRBによる金融引き締め再加速観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大観測(円キャリートレード再開に伴うドル高・円安)を想定しているため、来週も、「ドル円上昇→トルコリラ円連れ高」の相場展開をメインシナリオとして予想いたします。但し、これまでに何度もお伝えしてきた通り、対ドル相場が安定推移を続けつつも、毎週のように史上最安値を少しずつ更新し続けている点には注意が必要と考えられます。

対ドル相場の安定化は、強引な資本規制(為替差損保障型預金スキームの継続や国内金融機関に対する為替取引のスプレッド拡大や手数料引き上げ要請など)や、為替介入(トルコリラ買い介入)で成し遂げられていますが、財政収支・経常収支共に悪化の一途を辿る中、こうした措置の長期化は難しく、早晩瓦解するリスクが警戒されます。事実、トルコを巡るファンダメンタルズは、大地震発生に伴う甚大な被害やそれに伴う膨大な再建費用、エルドアン大統領の支持率凋落、高止まりするインフレ圧力など、悪材料目白押しの状態が続いております。当方は5/14に予定されている大統領選後に対ドルの事実上のペッグ政策が解除されると見ていることから、中長期的な視点では、トルコリラ円相場の下落を予想しております。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.00ー7.40

注:ポイント要約は編集部

『ドル円との同調相場が継続中。世銀は大地震の被害額推計値を発表』

トルコリラ円日足

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