トルコリラ週報:『対ドル相場は史上最安値を更新。対円相場はドル円に連動した動き』(2/4朝)

トルコリラの対円相場は7.00円をバックに続伸が阻まれると、週後半にかけて6.79円まで下げ幅を拡大しましたが、週末にかけてドル円急騰に連れて全値戻しする展開に。

トルコリラ週報:『対ドル相場は史上最安値を更新。対円相場はドル円に連動した動き』(2/4朝)

『対ドル相場は史上最安値を更新。対円相場はドル円に連動した動き』

○今週のトルコ円、1/31にかけて6.97円まで上昇後、ドル円下落につれ週後半に6.79円まで下落
○売り一巡後は、米月雇用統計を背景としたドル円急騰により、週末にかけて6.97円まで反発
○アップサイドより複数のレジスタンスポイント、テクニカル的に見て地合いは極めて弱いと判断
○ファンダメンタルズも、経常収支の赤字幅拡大など売り材料多い
○トルコリラ売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
○来週の予想レンジ(TRYJPY):6.70ー7.10

今週のレビュー(1/30−2/3)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初6.90円で寄り付いた後、(1)トルコ1月経済信頼感指数(結果99.3、前回97.6)の良好な結果や、(2)トルコ12月貿易収支(結果97億ドル赤字、予想104億ドル赤字)の市場予想を下回る赤字幅、(3)ドル円相場の底堅い動き(トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、翌1/31にかけて、週間高値6.97円まで上昇しました。しかし、心理的節目7.00円をバックに伸び悩むと、(4)トルコ・スウェーデン間の対立激化懸念(スウェーデンの首都ストックホルムでイスラム教の聖典コーランが燃やされる抗議デモ発生→エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟を支持しない方針を発表)や、(5)米FOMC後のドル円下落(トルコリラ円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値6.79円まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米1月雇用統計および米1月ISM非製造業景況指数のポジティブサプライズや、(7)上記6を背景としたドル円急騰(トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値に一致する6.97円まで反発しました。引けにかけて、小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/4午前3時00分現在)では、6.96円前後で推移しております(対ドル相場は史上最安値を更新)。尚、トルコ1月製造業PMIは50.1を記録するなど、好不況の分かれ目となる50を約1年ぶりに上回りましたが、トルコリラ買いでの反応は限定的となりました。また、トルコ1月消費者物価指数も前年同月比57.68%と、前回64.27%から伸び率が鈍化しましたが、こちらも相場への影響は限定的となりました。

来週の見通し(2/6−2/10)

トルコリラの対円相場は、心理的節目7.00円をバックに続伸が阻まれると、週後半にかけて、6.79円まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては、ドル円急騰に連れて全値戻しする展開となりました。但し、アップサイドより複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。目先は1/16に記録した約1年1ヵ月ぶり安値6.75円を試す動きが想定されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)経常収支の赤字幅拡大や、(2)トルコ中銀による利下げ再開の思惑(トルコ中銀は昨年、高インフレに見舞われているにも係わらずエルドアン大統領の圧力に屈する形で、4ヵ月で500bpもの大幅利下げを実施。12月、1月は据え置きを決定したものの、直近で発表されたトルコのインフレ指標が鈍化傾向を辿っているため、5/14に予定されている大統領選挙に向けて、エルドアン大統領が再び政策金利の引き下げをトルコ中銀に求める可能性あり)、

(3)日銀による金融緩和の早期修正観測(来週予定されている日銀人事の結果次第で再び円独歩高の流れが始まる可能性あり→ドル円下落→トルコリラ円連れ安)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。事実、トルコリラは対ドルでの相場安定化を図っているため、トルコリラ円相場の動きは、ドル円相場に連動する展開が続いております(当方は来週後半以降のドル円下落を予測しているため、トルコリラ円相場もそれに応じて下落すると予想)。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ12月失業率や、トルコ12月鉱工業生産などに注目が集まります。

来週の予想レンジ(TRYJPY):6.70ー7.10

注:ポイント要約は編集部

『対ドル相場は史上最安値を更新。対円相場はドル円に連動した動き』

トルコ円日足

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