米中首脳会談を注視、やや荒っぽい値動きも(11/14夕)

週明け14日の東京市場はドルが小高い。

米中首脳会談を注視、やや荒っぽい値動きも(11/14夕)

米中首脳会談を注視、やや荒っぽい値動きも

〇本日のドル円、1円以上ドル急伸するも140円は超えられず失速、139円割れまで一時軟化
〇その後も細かな上下動を踏まえつつ16時現在では139.25-30で推移
〇ドル/円は基本的なドル安リスクがうかがえるが年初来高値から13円以上下落でようやく第1波終了か
〇黒田日銀総裁「現在は金融緩和の継続で経済活動をしっかりと支えていくべき局面」と発言
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.20

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場はドルが小高い。やや激しめの上下動をたどったものの、最終的にドルは高値圏で取引を終えていた。

先週末は、暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの破綻が伝えられるなか、「顧客資産消失」など関連の噂やニュースも相次ぐ。またロイターが「民主党、中間選挙の上院選で接戦となっていたネバダ州で勝利」と報じ、米民主党が上院で多数派を維持する見通しになったことも話題に。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた138円半ばを日中安値にドルが堅調裡。伝えられたウォラーFRB理事の「次回会合あるいはそれより後に0.5%利上げ検討も」とのコメントが好感されたことなどもあり、一気に1円以上もドルが急伸している。しかし、140円は超えられず失速すると、ジリジリと139円割れまで一時軟化するなど、なかなかの乱高下。その後も細かな上下動を踏まえつつ、16時現在では139.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「国際情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、週末に東アジアサミットが開催され、そのなかでバイデン米大統領がロシアのウクライナ侵攻を「残酷で不当な戦争」と非難。ロシアのラブロフ外相が反発するなど対立の構図が鮮明だった。なお、対立の図式はそのまま15-16日に行われるG20サミットにも引き継がれる見通しだ。一方、それとは別に2国間会談なども相次ぎ実施されている。日本でいえば日米や日韓、日米韓の首脳会談をそれぞれ行ったほか、岸田首相と李首相、日中首脳が短時間の立ち話を行ったとも伝えられていた。また、14日に実施される米中首脳会談に関する発言なども幾つか取り沙汰されており、そちらも一部で話題に。たとえば、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、バイデン大統領が習国家主席に対立を望んでいないことを明確にする方針だと明らかにしている。

対して後者は、ウクライナ軍が南部ヘルソン市入りを明らかにする反面、ロシア軍は「撤退が完了した」と発表。それを受けて、ゼレンスキー大統領は「ヘルソンを奪還、歴史的な日だ」などと勝利宣言を行っている。しかし、ウクライナのダムが決壊するなど、ロシア軍は撤退と絡め、奪還後のインフラを利用できなくする「焦土作戦」に出ている可能性も取り沙汰されていた。喜びも半分といったところか。また別途、国連とロシアが19日に期限切れとなる穀物合意延長めぐり協議を実施したとされるが、「継続合意」の報道は観測されていない。

<< 欧米市場の見通し >>

気が付いたら今年も残り50日を切った。徐々にクリスマスや年末・年始ムードを感じつつあるなか、市場の商いは薄くなっているのか為替市場の値動きもかなり軽くなっている。ドル/円は基本的なドル安リスクがうかがえるものの、年初来高値から13円以上も下落し、ようやく第1波は終了か。ただ、先でも指摘したように、値動きが荒くなっているだけに油断は禁物。思わぬ価格変動にも一応注意しておきたい。
日米の絶対的な金利差を考えると、ドル高・円安基調は継続。実際、本日東京時間には先で指摘したように、ウォラーFRB理事の「次回会合あるいはそれより後に0.5%利上げ検討も」とのコメントが聞かれた反面、黒田日銀総裁は講演で「現在は金融緩和の継続で経済活動をしっかりと支えていくべき局面にある」と強調。双方を受けて、市場は大きくドル買いで反応している。ここ最近の流れから短期のリスクはドル安方向だが、下値を積極的に売っていく局面でもないようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は移動平均の21日線に続き90日線も下回ってきた。また一目均衡表では、遥か下方に位置した先行帯の雲のなかへ一気に埋没しただけでなく、下限割れも視界内に捉えられていたが、本日東京時間のドル反発で目先の危機は取り敢えず脱している。とは言え、引き続き予断を許さない。このあとドル安が再び進行した局面では、先週末安値の138円半ば、そして138円レベルの攻防に注目だ。

本日はとくに目立った米経済指標の発表はなし。また、米地区連銀総裁など当局者による講演もとくには予定されていない。しかし、注目の米中首脳会談が開催されるなど、引き続き広義の政治ファクターには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.20円。ドル高・円安方向は本日東京高値を含めた140円前後が最初の抵抗。抜ければ142円台に向け、意外に早い戻りを達成する可能性もある。
対するドル安・円高方向は、138.80円レベルがごく目先のサポートで、下回ると138円半ばがターゲットに。それも割り込むと一目の雲の下限を目指す。

米中首脳会談を注視、やや荒っぽい値動きも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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