米10月消費者物価指数(CPI)予想(22/11/10)

本日(10日)は米国10月消費者物価指数(CPI)が公表されます。

米10月消費者物価指数(CPI)予想(22/11/10)

米10月消費者物価指数(CPI)予想

本日(10日)は米国10月消費者物価指数(CPI)が公表されます。米国は11月6日に標準時間に移行したため、今日の発表は前回より1時間遅れの22時30分になります。
さて、前回9月は全体もコアも年率で予想を上回りインフレ高進を裏付けました。相場は発表前に146円70銭付近でしたが、147円67銭まで買われ147円12銭で引けました。その後は翌週21日に151円95銭の高値を付け、円買い介入が入りました。
今回10月予想は全体・コア共(年率ベース)に、前月よりはやや緩みますが、まだ高止まりとなっています。市場は先週のFOMC以降、将来の利上げ幅縮小観測から、金利が緩み、為替はドル安気味に推移しています。もし今回予想通りの結果になった場合、この高止まりの数値が米金利にどの様に影響するかが次回FOMCまでの主要な材料になりそうです。

下図(1)を見ると、前月比ベースでは大きく上昇していますが、まだオレンジ色の移動平均線の下降傾向は崩れていません。最低でもこのまま横這い程度に推移しないと、この先のインフレ懸念は消えないと思います。また(2)は非常に微妙な推移です。昨年12月以降はCPIコアとPCEコアが大きく乖離したまま相関しています。オレンジ色のPCEコアが再度上昇を続けているので、過去の相関の様に両者が縮小していくのか(青が横這いオレンジ上昇)、あるいはこれまで通りに青の再上昇に繋がるのかが今後のポイントになりそうです。後者であればFRBの見ている金利天井水準が更に上がっていくことになりそうです。
9月FOMC時点でのFRB予想(中央値)では、年末のPCEコアが4.5%でしたが、今回予想通りになると残り2ヶ月ではここまでのインフレ低下はかなり厳しく、12月FOMCでは来年以降の見通しも上方修正される見込みが高くなります。因みにFRBの2023年PCEコア(中央値)は3.1%(6月時2.7%)になっています。

消費者物価指数

消費者物価指数

2022年11月10日9時現在予想

(1) 米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(1)	米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線は下降トレンドになっていますが、今回はやや反転気味です。
一方、下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=オレンジ色のPCEコア)、黒が今年9月公表済のFRB予想(2022年末PCEコア)数値4.5%です。9月のPCEコアは6.6%、今回予想も6.5%なので、インフレ沈静化にはほど遠い数値になっています。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFRB9月時の2022年末予想PCEコア4.5%、青の矢印は今回予想値、オレンジ色横線はPCEコア高値5.3%)
注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。

下図はドル円の週足チャートです。3月7日週底値からのサポートA(=140円95銭)にあり、そこから平行に上げたB(=152円70銭)でドル高トレンドラインになっています。10月21日の高値151円95銭は異常な買われ過ぎで長い上ヒゲになりました。このBの高値起点からの抵抗線がC(=148円70銭)にあり、過去2週間の抵抗線になりました。一方で、AとBのドル高トレンド内で、8月1日底値からのサポートがD(=144円30銭)にあり、現状ではCとDで収斂を続けていることになります。CとDはまだ4円40銭のレンジ幅があるので、今週の上下抜けは難しいかもしれません。Cは40銭程度(/週)下がり、Dは50銭程度(/週)上がるので、来週は144円80銭〜148円30銭辺りが想定されます。
また、今週の寄りが146円85銭ですので、これ以下で明日のNYが終わると4週連続の陰線引けになり、ややドルの下値リスクが高い状態が続きます。今日のCPIが予想通りになった時に米金利に与える影響が重要になりそうです。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移 2枚目の画像

(11月10日10:30 1ドル=146円21銭)

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