トルコリラ週報:『エルドアン大統領の発言で再び下落。来週はCPI・PPIに要注目』(10/1朝)

トルコリラの対ドル相場(USDTRY)は下落基調が継続し、週後半にかけて史上最安値となる18.61を記録しました。

トルコリラ週報:『エルドアン大統領の発言で再び下落。来週はCPI・PPIに要注目』(10/1朝)

『エルドアン大統領の発言で再び下落。来週はCPI・PPIに要注目』

〇今週のトルコ円、エルドアン大統領の中銀に対する利下げ提案報道等に週後半7.75まで下落
〇トルコリラの対ドル相場、下落基調継続し、週後半にかけて史上最安値となる18.61を記録
〇トルコ円、テクニカルの地合い弱く、ファンダメンタルズもトルコ下落材料多い
〇円独歩安の流れが収束しつつあることも、トルコリラ円相場を押し下げる一因となるか
〇引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.55ー7.95

今週のレビュー(9/26−9/30)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初7.78円で寄り付いた後、@ドル円相場の持ち直し(ドル円反発→トルコリラ円連れ高)を背景に、翌9/27に週間高値7.88円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Aトルコ経済を巡る先行き不透明感(今週発表されたトルコ9月製造業景況感指数は99.9を記録するなど前月の102.1を下回り5か月連続の悪化)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(今週も複数の米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ結果→トルコから米国への資本流出圧力)、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの再開、

Cエルドアン大統領による「トルコ中銀に対して今後の金融政策決定会合での利下げを提案」とのハト派的な発言(追加利下げ観測→実質金利低下に伴うトルコリラ売り圧力)、D外貨準備減少に伴う介入余力の低下、Eトルコ株の軟調推移が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.75円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/1午前2時00分現在)では、7.81円前後で推移しております。尚、トルコリラの対ドル相場(USDTRY)は下落基調が継続し、週後半にかけて史上最安値となる18.61を記録しました。

来週の見通し(10/3−10/7)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、7.80を挟んだ上下動が続いていますが、アップサイドに複数のレジスタンスポイントを控えている点や、強力な抵抗帯として意識されている心理的節目8.00が約2ヵ月半に亘って死守されている点などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しく、リスクは依然ダウンサイド)と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による追加利下げ観測(トルコ中銀は先週、CPIが歴史的高水準を記録しているにも係わらず2会合連続のサプライズ利下げを実施→今週はエルドアン大統領が「追加利下げ」の可能性を示唆すると共に「政策金利が年内一桁%まで低下する」と発言)や、A上記@を背景としたトルコリラの実質金利急低下、

Bトルコ・欧米諸国間の関係悪化懸念(エルドアン大統領とプーチン大統領の急接近に対して欧米諸国が牽制)、C米FRBによるタカ派傾斜観測(トルコから米国への資本流出懸念)、Dトルコ経済の先行き不透明感、E双子の赤字を背景とした構造的なリラ売り圧力、F外貨準備減少に伴う介入余力低下への警戒感(外貨準備高は前週の120.9億ドルから9/23時点で96.7億ドルへ減少)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

また、日本政府・日銀による介入警戒感を背景に円独歩安の流れが収束しつつあることも、トルコリラ円相場を押し下げる一因になると考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は10/3に予定されているトルコ9月消費者物価指数や、トルコ9月生産者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、実質金利の更なる低下を通じて、トルコリラに強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、来週は週明け早々のダウンサイドリスクに警戒が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.55ー7.95

注:ポイント要約は編集部

『エルドアン大統領の発言で再び下落。来週はCPI・PPIに要注目』

トルコ円日足

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