警戒感くすぶり、ドルは上げ渋り継続か
〇本日のドル円、一時143円を割り込むも終盤にかけ緩やかな回復基調、143.75レベルまで値を上げる
〇ドル高・円安基調だが上値追いも見込みにくくしばらくは143-144円を中心としたドルの強保ち合いか
〇本日は米経済指標として、8月の小売売上高や同鉱工業生産が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.90-144.10、ドル高・円安方向は144円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、143.20-30円が弱いサポート
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場はドルが小高い。昨日NY時間に付けた142円半ばを目先底値に、本日東京では143.70円台まで1円以上も値を戻している。
ドル/円は143.15円前後で寄り付いたのち、当初は冴えない。引き続き円買い介入警戒感なども取り沙汰されると、一時143円を割り込む局面も観測されていた。しかし、ジリジリと値を戻すと終盤にかけてドルは緩やかな回復基調。143.75円レベルまで値を上げ、16時現在でもそのままドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英国情勢」について。
前者は、ウクライナ大統領がロシアから奪還した北東部イジュームを電撃訪問し、軍に謝意を示したとされている。軍の士気はさらに高まったようだ。ただ、その反面でドイツ首相から「プーチン氏はウクライナ侵攻が誤りだと、まだ認識してしない」との発言が聞かれたうえ、ロシア大統領府も「ウクライナによるNATO加盟意欲はなお脅威」などとし、戦闘の継続が示唆されていた。引き続き予断を許さない。そうしたなか、米国務省報道官は、バイデン政権がウクライナ侵攻を続けるロシアに対する新たな経済措置をめぐり議会と協議していることを明らかにしている。
対して後者は、19日に実施されるエリザベス女王の国葬と絡めた幾つかの報道が思惑を呼ぶ。ひとつは、「北朝鮮を国葬へ招待する方針を固めた」とする報道。「招待は大使級にとどまり、金朝鮮労働党総書記が出席することはない」とされるものの、それでも出席の有無などをめぐり思惑を呼びそうだ。またバイデン米大統領がチャールズ新英国王と早々に電話会談を行い、哀悼の意を伝えたとされるうえ、19日の国葬の前にはトラス英首相が「バイデン氏をはじめロンドンを訪れる各国首脳と1対1の非公式会談を行う見込み」だと報じられていた。弔問外交となる可能性がある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日144.95円まで値を上げ年初来高値に面合わせするも、執拗な本邦要人による口先介入などもあり失速。一時142.55円まで値を下げている。ドル高・円安という基調そのものは変わらないが、積極的なドルの上値追いも見込みにくく、しばらくは143-144円を中心としたドルの強保ち合いか。ただ、切っ掛け次第でマジノラインと目される「145円」をうかがう展開、当局の介入スタンスを試す動きも否定できないようだ。
各国金利情勢への関心が高いなか、市場筋のあいだでは日米そして英国の政策金利も発表される来週の市場動静が様々な憶測を呼んでいた。さらに来週は週明けと週末、ともに日本が休日に当たるところも懸念要因のひとつとなっている。一方、昨日あれほどかまびすしく本邦要人から「口先介入」が聞かれたものの、本日の142-143円台ではまったく音沙汰なし。諦めているのかなんなのか、ともかく「ある程度の円安は許容」しているような気もする。
テクニカルに見た場合、昨日は日銀によるレートチェック実施思惑などもあり、ドル/円は142.55円まで下押ししたものの、そこからすでに1円を超える戻りを記録している。果たして、142.50-145.00円といったレンジを形成するのか否かにまずは注目だ。しかし、ドルの上値が重いことは言うまでもないが、リスクは引き続きドル高方向。「怖いもの見たさから当局の介入スタンスを試す」といった声も多く、ドル高再進行には一応注意しておきたい。
本日は米経済指標として、8月の小売売上高や同鉱工業生産が発表される予定となっている。また昨日に続きG7貿易相会合や、国際原子力機関(IAEA)理事会なども開催される見込みで、それらも内容如何で市場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.90-144.10円。ドル高・円安方向は144円レベルが最初の抵抗で、超えれば昨日高値や年初来高値が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、143.20-30円が弱いサポートとなりそうだが、強いものとなると本日東京安値の142.80円レベル、そして昨日安値の142.55円などか。再び崩れたら下落も速そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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