トルコリラ円見通し 12月20日のトルコ中銀金融政策決定会合前で揉み合い続く(22/1/18)

当面は1月3日の高安レンジ内で推移しつつ、中銀の政策発表内容次第で反騰入りか史上最安値を再び試す流れへと進むのか決まってくるのではないかと思われる。

トルコリラ円見通し 12月20日のトルコ中銀金融政策決定会合前で揉み合い続く(22/1/18)

トルコリラ円見通し 12月20日のトルコ中銀金融政策決定会合前で揉み合い続く

〇トルコリラ円、1/17午後に8.17まで一時的に下げたものの、8.50超へ買い戻される
〇1/20中銀金融政策会合を控え、当面は1/3の高安レンジ内で推移か
〇対ドル、1/17は13.60から13.10の取引レンジ、米国市場休場で小動きだが若干戻り高値切り上げる
〇昨日発表のトルコ財政赤字、過去25年間で最大の赤字となる
〇8.35以上での推移中は上向きとし、8.57超えからは8.65前後への上昇を想定する
〇8.35割れからは、8.20前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の1月17日は8.57円から8.17円の取引レンジ、18日早朝の終値は8.51円で先週末終値の8.44円からは0.07円の円安リラ高だった。
高インフレ下での連続利下げを悲観して12月20日に6.17円まで史上最安値を更新した暴落が一服、リラ預金保護政策発表からの反騰で12月23日高値11.14円まで戻したものの先行き不透明感から揺れ返しの下落に転じて1月3日には8.13円まで失速、その後は1月3日高値9.00円を超えずに8円台序盤を維持する持ち合いを継続している。
1月17日は夕刻のトルコ財政収支が過去最悪の赤字となったものの市場の反応は限定的だった。不安定な市況環境により一時的な安値のブレも大きく午後には8.17円(ベンダーによっては8.27円から8.38円等まちまち)まで一時的に下げたものの8.50円超へ買い戻された。
1月20日のトルコ中銀金融政策決定会合も近いため、当面は1月3日の高安レンジ内で推移しつつ、中銀の政策発表内容次第で反騰入りか史上最安値を再び試す流れへと進むのか決まってくるのではないかと思われる。

【対ドルでは13リラ台での持ち合いを継続】

ドル/トルコリラの1月17日は13.60リラから13.10リラの取引レンジ、18日早朝の終値は13.42リラで週末終値の13.52リラからは0.10リラのドル安リラ高となった。
12月20日に18.36リラの史上最安値をつけたところからリラ預金保護政策発表により12月23日高値10.06リラへ反騰、その後の揺れ返しで再びドル高リラ安となり1月10日には13.93リラまで安値を切り下げてきたが、リラ売りも一服して11日に13.11リラへ反発、17日も米国市場が休場で全般には小動きだったが、若干戻り高値を切り上げた。

【トルコの財政赤字過去最大に】

1月17日17時に発表された12月のトルコ財政収支は1457.4億リラの赤字となり11月の32億リラの黒字から大幅な赤字に転落した。2021年における単月の赤字としては7月の458億リラの赤字が最大であり、今回はそれをはるかに超えて過去25年間のデータで見れば最大の赤字となった。

トルコリラ円見通し 12月20日のトルコ中銀金融政策決定会合前で揉み合い続く

11月にかけてのリラ暴落とその対策等による財政支出を反映したものなのか詳細ははっきりせず、市場の反応も特段にはなかったが、高インフレの進行による景気回復の鈍化、消費低迷、世界的な感染拡大による先行きの観光業への不安感、中央政府の債務増や外貨準備高の減少なども踏まえれば財政収支の大幅な赤字もトルコ経済に対する不透明感を増すものと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月10日夜安値をサイクルボトムとして8.50円割れからは弱気サイクル入りとしていたたが、13日夜に8.50円を割り込んだために14日午前時点では1月13日未明高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りしたとした。またボトム形成期は13日夜から17日夜にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるとし、8.55円超えからは強気サイクル入りとした。
1月17日夜の上昇で8.55円を超えたため、17日午後の一時的な安値を除いて14日昼安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。新たな高値形成期して17日深夜から20日未明にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあるが、8.35円以上での推移中は上昇余地ありとし、8.35円割れからは弱気サイクル入りとして19日午後から21日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月17日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いてきたので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンから転落しないうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、先行スパン転落からは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月17日夜の上昇で70ポイントに迫ってから低下したが50ポイント以上を維持している。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)8.35円を下値支持線、8.57円を上値抵抗線とする。
(2)8.35円以上での推移中は上向きとし、8.57円超えからは8.65円前後への上昇を想定する。8.65円以上は反落注意とするが、8.45円以上での推移なら19日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.35円割れからは8.20円前後への下落を想定する。8.20円以下は反騰注意とするが、8.35円以下での推移なら19日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月20日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合
      週間レポレート (現行 14.0%、予想 14.0%)
      翌日物貸出金利 (現行 15.5%)
      翌日物借入金利 (現行 12.5%)
      後期流動性貸出金利 (現行 18.5%)
 20:30 週次外貨準備高 グロス(1/14時点 709.9億ドル)
 20:30 週次外貨準備高 ネット(1/14時点 79.5億ドル)
1月21日
 16:00 1月 消費者信頼感 (12月 68.9)
1月25日
 16:00 1月 製造業景況感 (12月 106.1)
 16:00 1月 設備稼働率 (12月 78.7%)



注:ポイント要約は編集部

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