ドル下げ止まるか、ブレイナード発言に注目(1/13夕)

13日の東京市場は揉み合い推移。前日は予想外のドル安進行、115円割れとなったが、東京ではドルの下値も限られた。

ドル下げ止まるか、ブレイナード発言に注目(1/13夕)

ドル下げ止まるか、ブレイナード発言に注目

〇本日のドル円、価格変動限定的で16時現在は寄り付きと同じ114.60-65で推移
〇ブレイナードFRB副議長の指名公聴会、タカ派ならドル反発の起爆剤に
〇本日は12月生産者物価指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.00-115.00

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は揉み合い推移。前日は予想外のドル安進行、115円割れとなったが、東京ではドルの下値も限られた。

ドル/円は寄り付いた114.60-65円を中心としたレンジ取引。114.50-70円といった20ポイント強の動きにとどまっている。日米株価や、ここのところ急増している東京の新型コロナの感染者などが思惑を呼ぶも、実際の価格変動は限定的だった。16時現在では寄り付きと同じ114.60-65円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢と北京五輪」そして「米金融政策」について。
前者は、国際オリンピック委員会(IOC)のデュクレ五輪運営部長から、「北京五輪の新型コロナ対策は満足している」としたうえで、開催はできるとの考えが改めて示される反面、中国国営テレビによると「大連市でオミクロン株感染を確認、感染者やその濃厚接触者が居住する建物は閉鎖された」という。また、北京に隣接する天津市においては、市内の新型コロナウイルス感染急増を理由に地方議会に相当する人民代表大会を含む2つの政治会議が延期されたことが明らかとなった。開幕まで3週間あまりとなった北京冬季五輪に、暗雲が垂れ込めている感も否めない。

対して後者は、昨日発表された米消費者物価指数は前年比7.0%と、ほぼ予想通りの結果ながら、数字そのものは実に39年ぶりとなる高数字。また、そののち発表された米地区連銀経済報告では「昨年末に経済は緩やかなペースで成長した」と指摘されたほか、セントルイス連銀総裁からは「2022年に4回の利上げの可能性」としたコメントが聞かれている。同時に新型コロナの感染拡大への警戒感などを指摘しつつも強気の内容が多かったが、為替市場の反応はいまひとつ。ドル買いは続かなかった。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日欧米時間、底堅さを醸していた115円を割り込み、そのまま年初来安値を大きく更新する114.38円まで一時下落している。本日東京で安値を更新することはなかったが、それでも上値は重く一度も115円を回復することはなかった。リスクはドル安方向にバイアスがかかるなか、再びドル安が進行する動きにも要注意。ちなみに、昨年11月末の安値112.54円を起点としたフィボナッチでは、次のサポートは114円前後となる。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いなか、「ブレイナードFRB副議長の指名公聴会」にまずは注目だ。一昨日のパウエル証言は予想ほど強気ではなく、むしろ若干の失望を誘うものだったが、果たしてブレイナード氏の発言は如何に。ハト派に分類されるブレイナード氏だけに強気のコメントは予想しにくいとの声が聞かれる一方で、「だからこそタカ派コメントが発せられればドル反発の起爆剤になる」といった見方も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は4日に高値116.35円を示現したのち緩やかな右肩下がり。昨日ついに114.38円と、高値から2円ほどの下落を記録している。底堅さを醸していた115円レベルを割り込んだだけでなく、114.80円前後に位置する移動平均の21日線も下回った格好で、リスクは一転してドル安方向か。ちなみにフィボナッチで見ると、前述した114.38円は昨年11月末の安値112.54円を起点とした半値押し(114.45円)に近く、下回れば61.8%押しの114円前後、そして76.4%戻しの113.45円などがターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には再び不動産リスクが市場の関心を集めはじめている「中国情勢」、先日ロシア軍が国境付近で軍事演習を行ったことが明らかになった「ウクライナ情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、米財務省による30年債の入札も実施される見込みだ。またブレイナードFRB副議長の指名公聴会、米露や欧州諸国も加盟する欧州安保協力機構(OSCE)の会合も予定されるなど、材料は引き続き少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.00-115.00円。本日東京で超えられなかった21日線が位置する114.80円前後が目先の抵抗。抜けると115円台回復が次の使命となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の114.38円をめぐる攻防にまずは注目。しっかり下回るとフィボナッチポイントにもあたる114円レベルがターゲットに。

ドル下げ止まるか、ブレイナード発言に注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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