シカゴポジション(CME)312
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年12月7日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、4通貨まちまちの動きになりましたが、オセアニア通貨は小動き、ドル円とユーロは比較的大きなドル売りとなりました。
豪ドルはやや米ドルロングを積み上げています。締日ベースでは前週と終値が変わらず、総枚数でもまだ積み上げ余地を残しています。10月初に約9万枚のネットショートを保有し、その時点の終値が0.7291でしたので、かなり相場観通りに動いている感じです。ポジション保有期間は既に半年強経過していますが、過去最大では2年のケース(途中でポジションの半分位は利確し、その後は再積み上げ)もあるので、まだ相場観を変える可能性は少ないと思います。
オセアニア通貨の括りではポジションが逆になっているので、NZドルをショートに切り替えてきたら一段の豪ドル先安の相場観として見たいと思います。そのNZドルはポジションがほとんど変わらず、まだNZドルロングを維持しています。持ち値は悪く、含み損になっていると思いますが、総枚数では2,700枚程度増やしているので、引き続きNZドル先高観を維持しています。もし豪ドルショートを手仕舞いしてくれば、NZドルのロング積み増しも考えられますが、現状では損切りリスクも高いと思います。年末までのポジション動向を見たいと思います。
ドル円は2週続けてドルロングを落としてきました。総枚数も落としているので、押し目で買い易くなる一方、一段のポジション調整もあり得ます。2週間で34,000枚のロング手仕舞いですので、ネット10万枚のドルロングから約1/3を落としてきました。ロングの保有期間が長くなっているので、5万枚未満になってくると一度スクエアも想定する必要あります。また、今回ロングを増やしたのが111円台半ばと113円絡みですので、持ち値のレベルとして112円台半ば以下になった時、押し目買いするのかポジション縮小かを見たいと思います。ユーロドルは僅かのドルロングを手仕舞いしてきました。11月30日締日終値が1.1338でこの週の24日に1.1186の底値を付け、12月7日締日終値が1.1313ですので、売り増しせずにドルロングを解消したことになります。現状ではユーロの下値をあまり見ていないことになります。
先週のシカゴは、ロング1,400枚増、ショートも1,300枚増で、ネットロングは差し引き100枚弱の10,700枚になりました。総枚数を増やしているので、2週続けて押し目で買い、リスクヘッジのドル売りをしています。両建てポジションを膨らませているので、1方向に動いた場合は相場を加速させます。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6770〜0.7120の下限で再び止まっています。底値は0.6736までありましたが、全てヒゲになり、締日では戻しています。かろうじてNZドル一段安を阻止しています。ここを切れて終わればさすがのシカゴも一段安を想定する可能性が高まると思います。逆にロングを増やしてくれば、NZドル先高観の強さを確認することになります。この場合は豪ドルショートのキープが怪しくなると思います。
さて実際の相場は、8月中旬底値0.6800付近のサポートを下抜け、NZドル安が継続しています。この8月底値と先週底値を結んだサポートが0.6720〜30にあり、ここが目先の底値になっています。一段下には0.6660〜70、0.6600〜10サポートになります。逆にこの底値を守れば、上値は0.6820〜30、0.6860〜70の抵抗線になります。更に一段の戻り高を試すには後者を抜けて終わることが必要になります。(1NZドル=0.6796米ドル、12月13日14:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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