南アランド週報:『新型コロナウイルスの変異株検出で急落。約10ヵ月ぶり安値圏へ』(11/27朝)

南アフリカランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、2/1以来、約10ヶ月ぶり安値となる6.95円まで急落しました。

南アランド週報:『新型コロナウイルスの変異株検出で急落。約10ヵ月ぶり安値圏へ』(11/27朝)

『新型コロナウイルスの変異株検出で急落。約10ヵ月ぶり安値圏へ』

〇今週の南ア円、南アでのコロナ変異株検出報道に6.95まで急落
〇主要チャートポイントを軒並み下抜けテクニカルの地合い弱い
〇各国の渡航制限、先週の利上げ実施等が南ア経済の更なる下押しに繋がる恐れ
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇変異株の感染力や感染拡大状況に関するヘッドラインを睨みながらの神経質な展開か
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.80ー7.15

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.25円で寄り付いた後、リスク回避ムードの後退を背景に、週後半にかけて、週間高値7.29円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、@南アフリカにおける新型コロナウイルスの変異株検出報道(今回検出された変異株「B.1.1.529」は、免疫を回避する性質や高い感染力を持つ恐れあり)や、A上記@を背景とした南アフリカへの渡航制限措置(英国が渡航制限レッドリストに南アフリカを追加した他、EU加盟27カ国もアフリカ南部への渡航を一時的に制限することで合意)、B上記@をきっかけとした世界的なリスクオフ相場到来(株式市場急落→リスク回避の円買い再燃)が重石となり、週末にかけて、週間安値6.95円(本年2/1以来、約10ヵ月ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/27午前3時00分現在)では6.97円前後で推移しております。

来週の見通し(11/29−12/3)

南アフリカランド円相場は10/20に記録した約4ヵ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、2/1以来、約10ヶ月ぶり安値となる6.95円まで急落しました。この間、主要チャートポイント(一目均衡表転換線や基準線、雲上限および雲下限、200日移動平均線や90日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線など)を軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダー、弱気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを決定づけるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカにおける新型コロナウイルスの変異株検出報道や、A上記@を背景とした南ア経済の先行き不透明感(南ア中銀による先週の利上げ実施が南ア経済の更なる下押しに繋がる恐れ)、B国営電力会社エスコムによる計画停電の長期化リスク、C与党・アフリカ民族会議の求心力低下(政情不安を背景に本年7月に発生したようなデモや暴動が再開する恐れ)、D米インフレ加速を背景とした新興国から米国への資本流出圧力(対外債務を抱える南アフリカランドに下押し圧力)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は11/30に予定されている南ア7ー9月期失業率や、南アフリカで発生した新型コロナウイルス変異株の感染力や感染拡大状況に関するヘッドラインを睨みながらの神経質な展開が見込まれます。余程楽観的な材料(例えば、今回新たに検出された変異株の危険性は乏しいといったような内容のヘッドライン)が出てこない限り、南アランドの上値余地は限定的であり、来週も週を通してダウンサイドリスクに警戒を要する1週間となりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.80ー7.15

注:ポイント要約は編集部

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南アフリカランド円日足

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