トルコリラ円見通し 大暴落一服だが11月23日の日足大陰線の範囲内(21/11/26)

トルコリラ円の11月25日は9.72円から9.36円の取引レンジ、26日早朝終値は9.65円で前日終値の9.54円からは0.11円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 大暴落一服だが11月23日の日足大陰線の範囲内(21/11/26)

トルコリラ円見通し 大暴落一服だが11月23日の日足大陰線の範囲内

〇トルコリラ円、11/25は9.72から9.36の取引レンジ、手掛かり欠く中暴落/反騰も一服で様子見の展開
〇ドル/トルコリラ、11/25は12.20から11.73の取引レンジ、暴落一服となり次のきっかけ待つ状況
〇トルコ中銀総裁、BDDKや主要銀行幹部との会合持つも、リラ防衛へ向けた具体的政策等伝わらず
〇トルコリラ円、9.60以下での推移中は下向きとし、9.30割れからは9.00前後への下落を想定する
〇9.60を超える場合は9.75から9.95手前を試すとみるが、9.75以上は戻り売りにつかまりやすいとみる

【概況】

トルコリラ円の11月25日は9.72円から9.36円の取引レンジ、26日早朝終値は9.65円で前日終値の9.54円からは0.11円の円安リラ高だった。
11月18日のトルコ中銀による3会合連続の利下げを挟んで暴落商状に陥り連日の史上最安値更新が続いたが、11月22日にエルドアン大統領が高金利と戦う、経済戦争に勝利すると演説したことが火に油を注ぐこととなり、23日には連立政権を組む極右政党党首が中銀政策を批判したことも重なって8.47円まで大幅続落となり、1日の下落規模としては15%を超える大暴落となった。
11月23日夜にはエルドアン大統領とカブジュオール中銀総裁が会談したとの報道で何等かの対策が講じられるのではないかとの警戒感から反騰入りとなり、UAEによるトルコへの投資支援報道もあって9.95円までいったん戻しに入った。
11月25日は米国市場が感謝祭休場で全般的な手掛かりに欠ける中でトルコリラ円も暴落とその後の反騰も一服で様子見の展開で落ち着いているが、11月23日の日足大陰線のレンジ内での推移にとどまっている。

【対ドルでも暴落一服】

ドル/トルコリラの11月25日は12.20リラから11.73リラの取引レンジ、26日早朝の終値は11.90リラで前日終値の12.08リラからは0.18リラのドル安リラ高となった。
11月9日から11月23日まで11日連続の日足陰線で下落、23日には13.49リラまで史上最安値を更新したが、大暴落一服で24日夜には11.51リラへ戻した。25日は12.00リラを挟んだ揉み合いでの推移となり、暴落も反騰もやや落ち着き、次のきっかけを待つ状況となっている。

【中銀も通貨危機回避に動くも姿勢転換は見られず】

トルコ中銀のカブジュオール総裁は11月25日にトルコの銀行調整監視機構(BDDK)や主要銀行幹部との会合を持ったようだ。中銀による利下げの経緯や今後の姿勢等を説明したのだろうと推察されているが、リラ防衛へ向けた具体的な政策や今後の利下げ停止や利上げの可能性については外部に伝わっていない。
会合後に総裁は「経済情勢をめぐる全般的な検証を行った」「トルコの銀行部門は極めて強靱だ」「利下げなどについて包み隠さず伝えた」「銀行部門、中央銀行、BDDKは協調して緊密に連絡を取り合っている」と述べるにとどまった。
市場ではリラ防衛のためにやむを得ずに利上げに踏み切るのではないかとの予想や、利上げすべきとの声が高まっている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月18日のトルコ中銀金融政策決定会合を前にしての買い戻しと利下げからの一段安により、11月19日午前時点では18日午前安値を直近のサイクルボトム、18日夜高値を同サイクルトップとした弱気サイクル入りとして23日夜から25日夜にかけての間への下落を想定した。
11月23日夜へ大幅下落したところで下げ止まり24日夜へ大幅反騰したために25日午前時点では11月23日夜安値を直近のボトムとして強気サイクル入りとした。また高値形成期は18日夜高値を基準として23日夜から25日夜にかけての間と想定されるので反落警戒期にあるとした。
24日夜高値の後は横ばい推移だが戻り高値が徐々に切り下がっており、高値形成期も過ぎているので11月24日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りと仮定する。次の安値形成期は26日夜から30日夜にかけての間とし、強気転換は24日夜高値超えからとする。

60分足の一目均衡表では11月24日夜高値からややジリ安の推移となり遅行スパンが悪化しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。24日夜高値超えからはさらに戻りを試す流れとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は11月23日夜の暴落時に10ポイントを割り込んでから24日夜に70ポイントに迫るところまで戻したが、その後はジリ安となり26日午前には50ポイントを割り込んできているので30ポイント前後への下落を想定する。強気転換には60ポイントを超える反騰とその後も50ポイント以上を維持する必要があると思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、9.30円を下値支持線、11月24日夜高値9.95円を上値抵抗線とする。
(2)9.60円以下での推移中は下向きとし、9.30円割れからは9.00円前後への下落を想定する。9.00円以下は反発注意とするが、下げ足が速まる場合は8.70円前後へ下値目途を引き下げる。また9.50円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)9.60円を超える場合は9.75円から9.95円手前を試すとみるが9.75円以上は戻り売りにつかまりやすいとみる。

【当面の主な予定】

11月29日
 16:00 10月 貿易収支 (9月 -25.5億ドル)
 16:00 11月 経済信頼感指数 (10月 101.4)
11月30日
 16:00 7-9月期 GDP前期比 (4-6月 0.9%)
 16:00 7-9月期 GDP前年同期比 (4-6月 21.7%)

12月01日
 16:00 11月 イスタンブール製造業PMI (10月 51.2)
12月02日
 20:00 週次 外貨準備高・グロス 11/26時点 (11/19時点 879.2億ドル)
12月03日
 16:00 11月 消費者物価指数 前月比 (10月 2.39%)
 16:00 11月 消費者物価指数 前年同月比 (10月 19.89%)
 16:00 11月 消費者物価コア指数 前月比 (10月 1.8%)
 16:00 11月 消費者物価コア指数 前年同月比 (10月 16.8%)
 16:00 11月 生産者物価指数 前月比 (10月 5.24%)
 16:00 11月 生産者物価指数 前年同月比 (10月 46.31%)

12月16日
 20:00 トルコ中銀 金融政策決定会合 政策金利 (現行 15.00%)



注:ポイント要約は編集部

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