トルコリラ円見通し 9/27安値からの持ち合い続くがここ3日は12.60円に届かず(21/10/7)

トルコリラ円の10月6日は12.58円から12.45円の取引レンジ、7日早朝の終値は12.53円で前日の12.55円からは0.02円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し 9/27安値からの持ち合い続くがここ3日は12.60円に届かず(21/10/7)

9月27日安値からの持ち合い続くがここ3日は12.60円に届かなくなる

〇昨日のトルコリラ円、12.58から12.45の取引レンジで下げ渋り型の横ばい
〇4日高値12.58、5日12.57、6日12.58といずれも12.60台に届かず徐々に上値が重い印象
〇対ドルではドル高感強まり夕刻安値8.93をつけたがドル安へ風向き変わりトルコリラ持ち直す
〇7日夜米労働省雇用統計発表、ドル高リラ安へ進むようなら史上最安値更新の可能性も
〇現状は9/2高値をトップとした4か月サイクルの底形成へ進んでいるところでの下げ一服状態
〇12.50以上での推移中は12.56から12.58手前を試す可能性があるとみる
〇10/6夜安値12.45割れからは12.40前後を目指すとみる、12.40以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円の10月6日は12.58円から12.45円の取引レンジ、7日早朝の終値は12.53円で前日の12.55円からは0.02円の円高リラ安となった。
トルコ中銀の利下げ強行によるリラ売りの流れで9月27日に12.42円まで安値を切り下げて6月2日安値12.44円を割り込み昨年11月6日の史上最安値12.03円以来の安値水準となったが、その後は新たな安値更新を回避して12.40円台後半から12.60円台序盤までのレンジ内でのジグザグ推移が続いている。しかし9月30日に12.62円まで戻した後の10月4日高値12.58円、5日高値12.57円、6日高値12.58円といずれも12.60円台に届かなくなり徐々に上値が重くなってきている印象だ。
10月4日のトルコ9月物価指数の発表後は主要指標の発表もなく手掛かり難だが、中銀による利下げショックが一服しているものの売り材料一巡による反騰入りという流れには進めずに下げ渋り型の横ばい続きで下放れへの不安を引きずる展開だ。

【対ドルでの下落一服だが一段安状態から抜け出せず】

ドル/トルコリラの10月6日は8.93リラから8.85リラの取引レンジ、7日早朝の終値は8.86リラで前日終値から変わらず。
10月6日の日中は米長期債利回りが4日からの連騰で上昇したことでドル高感が強まり、ユーロドルが失速、豪ドルや南アランドが失速する中でトルコリラも売られて夕刻安値で8.93リラを付けて9月29日に付けた史上最安値8.95リラへ迫ったが、夜にかけて米長期債利回りが低下に転じたことでドル安へ風向きが変わってユーロドルが下げ渋り、豪ドルや南アランドも7日早朝にかけて反騰したことでトルコリラも持ち直した。
10月7日夜には米労働省雇用統計の発表を控えており、市場全般は雇用統計待ちに入っている。米連邦債務上限問題や原油価格の高騰等による先行き不透明感もあるが、雇用統計が良好なら米連銀による11月会合でのテーパリング開始決定が濃厚となり来年への利上げ時期前倒しによる米長期債利回り上昇継続感が強まってドル高優勢の展開となり、ドル高リラ安へ進むようだと史上最安値をさらに更新する可能性も出てくると注目される。

【4か月サイクルによる下落期】

トルコリラ円は6月2日安値12.44円と6月21日安値12.48円をダブル底として上昇してきたが、9月2日高値13.32円でピークとなり9月8日のトルコ中銀総裁によるコアCPIを政策金利の判断基準とする旨の発言から利下げの可能性が高まったとして下落に転じ、9月16日のエルドアン大統領による早期利下げ要請発言からの一段安により6月21日以降の主要安値を結んだ上昇トレンドの支持線を割り込んだ。9月23日の利下げを受けて9月27日安値で12.42円まで下げたところで6月2日安値を割り込み、底割れ状況に入っている。
トルコリラ円は概ね4か月周期の底打ちサイクルで推移している。やや短い場合は3か月ごとの底打ちを2セットで繰り返すこともあるが、現状は9月2日高値をサイクルトップとして4か月サイクルの底形成へ進んでいるところでの下げ一服状態と思われる。

終値ベースでは6月21日安値が一段安に入る前の安値であり前回の4か月サイクルにおける底とすれば、今回の安値形成期は10月後半にかけての間と想定される。米雇用統計等をきっかけにドル高が進んで対ドルでの史上最安値を更新する場合は9月27日以降の下げ渋り持ち合いから転落して底形成の動きへ進みやすくなると思われるが、その際は昨年11月6日底の12.03円まで下値目途となる安値は見当たらない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月28日午後高値以降は12.50円前後から12.60円前後までの高安レンジ内でのジグザグ推移が続いているが、10月6日午前時点では10月4日深夜安値で底を付けて戻しているところとし、高値形成期を5日夜から7日夜にかけての間と想定した。また既に反落注意期に入っているので4日深夜安値12.48円割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
10月6日夜への下落で4日深夜安値を割り込んだため、底割れにより弱気サイクル入りしたと思われる。次の安値形成期は7日夜から11日深夜にかけての間と想定されるので6日夜から戻しているもののまだ一段安余地ありとし、強気転換は6日午前高値12.58円超えからとする。

60分足の一目均衡表では10月6日夜への下落で先行スパンからいったん転落したが、ジグザグ型の騰落が続いており6日夜安値からの反発で先行スパンまで持ち直している。しかし戻り高値切り下がり基調のため、6日午前高値を超えないうちは一段安余地ありとし、先行スパンから再び転落するところから下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。強気転換は6日午前高値超えからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は30ポイント割れまで低下したところから50ポイント超えへ戻している。50ポイント台を維持するうちは高値切り上げを試す可能性があるとみるが、50ポイント割れからは下げ再開とみて再び30ポイント割れを試すとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、10月6日夜安値12.45円を下値支持線、10月6日午前高値12.58円を上値抵抗線とする。
(2)12.50円以上での推移中は12.56円から12.58円手前を試す可能性があるとみるが、12.58円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)12.50円割れからは下げ再開とし、12.45円割れからは12.40円前後を目指すとみる。12.40円以下は反騰注意とするが、12.50円以下での推移なら8日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月07日
 20:00 外貨準備高(グロス) 10/1時点 (9/24時点 828.4億ドル)
10月11日
 16:00 8月 失業率 (7月 12.0%)
 16:00 8月 経常収支 (7月 -6.83億ドル)
10月12日
 16:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 -4.2%)
 16:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 8.7%)
 16:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.7%)
 16:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 12.3%)

10月21日
 20:00 トルコ中銀の次回金融政策決定会合

※ポイント要約は編集部

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