オーストラリアドル週報(2021年9月第3週)

9/16に発表された、豪8月の失業率は4.5％と前月の4.6％から低下し、また4.9％への悪化を見込んでいた市場予想を上回る改善を示しましたが、新規雇用が▼146,300人（フルタイム：▼68千人、パートタイム：▼78,200人）と市場予想の▼9万人よりさらに悪化したことや、シドニーなどの大都市のロックダウンが影響して労働参加率が低下したことから、豪ドルは対ドル、対円で上値の重い展開となっています。世界的なデルタ株感染者の増加により景気の回復ペースがスローダウンしており、オーストラリアもこの影響下にあることから、豪ドルは対ドル、対円で上値を切り下げる流れが継続中です。

チャートを見ると、日足は9/3に付けた82.03を直近高値として上値を切り下げています。また、8/20に付けた77.90を直近安値として下値を急角度で切り上げて来た流れからも下抜けた位置で推移しており、日足は形状が弱く下値リスクが高い状態にあります。現状は調整下げの範囲内ですが、79.50を割り込んで終えた場合は調整的な下げに留まらず、78〜79円台にある下値抵抗の強さを再確認する動きが強まり易くなります。さらに78円割れで終えた場合は、新たな下げトレンド入りの可能性が高くなり、75〜76円の長期的な下値抵抗を試す動きが強まり易くなります。逆に、79.60〜80.00ゾーンの下値抵抗を守り切って81円台を回復して終えた場合は下値リスクがやや後退、81.80-90の抵抗を上抜けて終えた場合は“強気”の流れに戻します。日足の上値抵抗は80.30-40，80.80-90，81.30-40に、下値抵抗は79.60-70，79.10-20，78.40-50にあります。21日移動平均線は80.38にあり、これを若干下抜けていますが、“ダマシ”の範囲内です。しかし、120日、200日移動平均線は82.75と82.18に位置しており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っています。

一方直近の週足は、陰線引けとなり82円超えに失敗して押し戻されて越週しています。今週は続落のスタートとなり、3手前の陽線の値幅を既に切り崩しており、下値リスクがやや高い状態です。80円割れで越週した場合は8/20に付けた77.90が底値であったかどうかを再確認する動きが強まり易くなります。逆に下値トライに失敗して82.00超えで越週した場合は、調整的な下げが一巡した可能性が高くなり、上値余地がさらに拡がり易くなります。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、80.90-00，81.40-50，82.00-10に、下値抵抗は80.00-10，78.00-10にあります。31週移動平均線は82.86にあり、中期トレンドは弱い状態ですが、62週線は79.99にあり、短期的な下値抵抗として働いています。但し、80円を割り込んで越週した場合は一段の下落リスクに要注意。