8月安値に面合わせ、ドル続落期待も強い(9/16夕)

16日の東京市場でドルは冴えない。前日安値を下回ることはなかったが、終日安値圏での推移をたどっていた。

8月安値に面合わせ、ドル続落期待も強い(9/16夕)

8月安値に面合わせ、ドル続落期待も強い

〇本日のドル円、109.20-25まで値を下げるも前日安値下回らず終日安値圏で推移
〇過去3週間ほど推移していた「小レンジ」下限109.41を下放れ
〇「中レンジ」下限109.11では下げ止まり、下回れば108.72がターゲットに
〇本日は8月小売売上高、新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.95-109.75

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場でドルは冴えない。前日安値を下回ることはなかったが、終日安値圏での推移をたどっていた。

ドル/円は109.35円前後で寄り付いたのち、当初はややドル買い優勢。109.45-50円へとわずかに値を上げた。しかし、買いは続かず反落に転じると一転して下値を探る動きに。109.20-25円まで値を下げ、前日記録した安値を意識した動きとなるも、捉えきれなかった。16時現在ドル/円は109.25-30円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、前日におよそ2ヵ月ぶり安値を示現したスイスフラン/円は本日さらに続落。またユーロ/円も一時129円割れを記録するなど、直近安値を再び更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、前日の北朝鮮によるミサイル発射について、米国務省報道官が「複数の国連安保理事会決議に違反している」などと非難のコメント。また、緊急の国連安保理非公開会合も開催されたが、こちらは声明を出さずに終了している。そうしたなか、北の金与正朝鮮労働党副部長から「弾道ミサイル発射は正常で自衛的な活動だ」と正当化する談話が公表されたほか、「国の主権と領土統一を守ろうとする中国党と政府の立場は、我が人民の全面的な支持を受けている」とし、中国礼賛のコメントも聞かれていた。

対して後者は、日本における感染拡大が一服しつつあるなか、米国では依然として危機意識が強いようだ。昨日はバイデン米大統領がワクチン義務付けめぐり、マイクロソフトなど米企業CEOらと会談を実施したほか、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官を務めるザイエンツ氏が、海外からの米国への渡航に関する「新たなシステム」を策定していることを明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去3週間ほど推移していた「小レンジ」の下限である109.41円を、ようやく「しっかり」下放れてきた。しかし、8月16日安値であり「中レンジ」の下限にもあたる109.11円では下げ止まり、こちらは割り込むことがいまだ出来ていない。不完全燃焼の感も残る値動きであり、本日以降に再び下値をトライし「中レンジ」を下回れるのか、動静には引き続き注目だ。

米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化なく、早くも来週22日に予定されているFOMC会合が注視されている。ただ、市場では以前ほど「早期テーパリング」期待が強くなく、それが足もとのドル安・円高に繋がっている感も否めない。いずれにしても、本日も重要な米経済指標が発表されることから、その内容には注意。また、それとは別に昨日内閣改造が実施されるなど、国内政治への不安も指摘される英国情勢なども波乱要因として懸念する向きは少なくない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日「中レンジ」の下限である109.11円に面合わせしたものの、割り込めず。そののち、本日東京もドルの安値は109.20円台だった。再びレンジ取引の様相を呈するのか、それとも足もとの「中レンジ」下限をしっかりと割り込んでいくのか、ここ数日の動きには要注意だ。ちなみに下回れば、いよいよ「大レンジ」の下限にあたる108.72円がターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には、日本経済新聞が「中国景気の減速感が強まっている」と報じるなど国内経済情勢も気掛かりな「中国情勢」のほか、次々に新たな新株が登場する「新型コロナ変異種」、自民党総裁選を中心とした「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。また、ブラックアウト期間で米通貨当局者による発言機会はうかがえないものの、欧州ではラガルドECB総裁によるイベント参加などが予定されており、そちらも注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.95-109.75円。昨日までドルのサポートとして寄与していた109.40-50円が最初の抵抗。上抜ければ109.75円レベル、そして110円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった「中レンジ」の下限に当たる109.11円。しっかり下回ると108円台突入も。

8月安値に面合わせ、ドル続落期待も強い

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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