ドル円、心理的節目110.00を割り込み下落。米雇用統計後の安値が射程圏内(9/10朝)

9日(木)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、心理的節目110.00を割り込み下落。米雇用統計後の安値が射程圏内(9/10朝)

ドル円、心理的節目110.00を割り込み下落。米雇用統計後の安値が射程圏内

〇ドル円、米国時間にかけ心理的節目110.00割り109.62まで下落、引けにかけて小反発するも上値重い
〇ユーロドル、ECB理事会のPEPP買い入れペース縮小決定で一時1.1842まで上昇
〇その後、ラガルドECB総裁「テーパリングではなく微調整」発言で一転1.1805まで反落
〇ベージュブック結果、米早期テーパリング観測の後退、米長期金利急低下がドル売り円買いの背景
〇ドル円、テクニカルにも地合いの弱いチャート、米雇用統計後安値109.59試すシナリオ想定
〇本日の予想レンジ:109.30‐110.10、本日5・10日、公表相場決定にかけての特殊フローに注目

海外時間のレビュー

9日(木)のドル円相場は上値の重い展開。@前日日本時間早朝に発表されたベージュブックの弱気な結果(新型コロナウイルス・デルタ株の感染再拡大で経済回復ペースが鈍化)や、A上記@を背景とした米早期テーパリング・米早期利上げの後ずれ観測、B米主要株価指数の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)、C米30年債入札の好調な結果(米10年債利回りは1.30%の大台を割り込み一時1.28%へ急低下)、D心理的節目110.00を割り込んだことに伴う短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間にかけて安値109.62まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時10分現在)では、109.71近辺で推移しております。

9日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。@注目されたECB理事会でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れペース縮小(※PEPPは少なくとも2022年3月末まで継続し、購入済債券も少なくとも2023年末まで再投資する方針)が決定されると、市場ではECBによるテーパリング宣言と受け止められ、ユーロドルは一時1.1842まで上昇しました。しかし、AラガルドECB総会が記者会見で、「今回の決定はテーパリングではなく微調整」「次の一手についての議論は未済」と発言すると、一転してユーロ売りが強まり、一時1.1805まで反落する場面も見られました。もっとも、引けにかけては、米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前5時10分現在)では、1.1823近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は9/8に記録した高値110.42をトップに反落に転じると、昨日は一時109.62まで急落しました。ベージュブックの弱気な結果や、それに伴う米早期テーパリング・米早期利上げ観測の後退、米長期金利の急低下、米主要株価指数の下落がドル売り・円買いの背景と考えられます(※昨日発表された米新規失業保険申請件数は良好な結果となりましたがドル円相場の反応は限定的。ボウマンFRB理事による「米雇用統計は弱めの結果となったが年内テーパリング開始の公算は大きい」との発言にも反応できず)。

また、テクニカル的に見ても、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線、雲上限及び雲下限を軒並み下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も消失するなど、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は先週末金曜日に記録した米雇用統計後(ネガティブサプライズ後)の安値109.59を試すシナリオが想定されます(米長期金利を睨みながらの神経質な展開の継続を想定→ダウンサイドリスクに要警戒)。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9:55の公表相場決定にかけて特殊フロー(ドル不足の傾向が強い)や、日本時間21:30の米8月生産者物価指数、22:00のクリーブランド連銀メスター総裁講演、23:00の米7月卸売売上高に注目が集まります。

本日の予想レンジ:109.30ー110.10

ドル円、心理的節目110.00を割り込み下落。米雇用統計後の安値が射程圏内

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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