トルコリラ円見通し 騰勢続くか、今夕トルコ物価上昇率、今晩米雇用統計(21/9/3)

トルコリラ円の9月2日は13.30円から13.22円の取引レンジ。

トルコリラ円見通し 騰勢続くか、今夕トルコ物価上昇率、今晩米雇用統計(21/9/3)

トルコリラ円見通し 騰勢続くか、今夕トルコ物価上昇率、今晩米雇用統計

〇トルコリラ円、9/2夜高値は9/1高値13.32超えには至らず、深夜以降は上昇一服感からやや下落
〇ドル/トルコリラ、9/1高値8.25リラをつけ、9/2もさらに高値を伸ばす
〇本日夕方にトルコ8月トルコ物価統計発表、結果によってはリラ売り材料となる可能性も
〇今晩米雇用統計発表、ドル安加速かドル高再燃か、内容次第では大きな反応になるか
〇13.20以上での推移中は一段高余地ありとし、13.32超えからは13.35から13.40を目指すとみる
〇13.20割れからはいったん下落期に入るとみて、13.10台前半への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の9月2日は13.30円から13.22円の取引レンジ。3日早朝終値は13.27円で1日終値13.25円からは0.02円の円安リラ高となった。
8月31日にエルドアン大統領とUAEのアブドル皇子が電話会談を行ったとの報道から両国関係改善期待となってリラ買いとなり20日朝の一時的急騰で付けた高値をわずかに超え、9月1日は夕刻のトルコ4-6月期GDPが市場期待通りに前年同期比で21.7%増と高水準の改善を示したこと、前期比も0.9%増で市場予想を下回ったものの2020年7-9月期から4期連続でプラスを維持して一部で懸念されていたマイナスへの転落を回避したことでリラ買いはさらに勢い付いて13.32円へ一段高となった。
1日深夜に急騰一服で13.21円まで下げたもののそこは押し目買いされて上昇、2日夜高値では1日夜高値超えには至らなかったために深夜以降は上昇一服感からやや下落している。

【対ドルでは6月25日の史上最安値以降の高値を更新】

ドル/トルコリラの9月2日は8.31リラから8.24リラの取引レンジ、3日早朝の終値は8.27リラで1日終値8.29リラからは0.02リラのドル安リラ高となった。
8月20日早朝にフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高が発生したところを除けば8月3日高値8.27リラから8月11日安値8.68リラへ下落したところを起点としてドル安リラ高基調に入り、1日高値8.25リラで8月3日高値を上抜き、20日の一時的急騰時の高値も超えた。2日もさらに高値を伸ばしている。
8月20日にかけてはドル全面高の様相でユーロドル等のメジャー通貨と共に南アランドや豪ドル等の資源・新興国通貨は対ドルで下落してきたが、20日安値を起点としてドル全面安の流れへ変わり、9月2日の南アランド、豪ドル、NZドル等がユーロやポンド等と共にこの間の最高値を更新している。トルコリラもこれらの流れも追い風となっての上昇であり、独自の強気材料も重なって高値更新に至ったという印象だ。

【今夕、トルコ8月物価上昇率、今晩、米雇用統計】

9月3日は16時のトルコ物価統計、21時半の米雇用統計と重要イベントが続く。
7月のトルコ消費者物価上昇率が前年比で18.95%へ上昇して政策金利の週間レポレート19.00%に迫ったことで当面はエルドアン大統領による利下げ圧力があってもトルコ中銀は利下げできないとして利下げ懸念と利上げ催促的なリラ売りが後退してリラ高を発生してきた。
8月の消費者物価上昇率に対する市場の事前予想は前年同月比18.7%で7月からは若干鈍化すると見込まれている。前月比では7月の1.8%から0.6%への鈍化が見込まれている。若干の鈍化なら利上げも利下げもないとしてリラ高基調を崩すことはないのではないかと思われるが、予想を大幅に下回る場合はエルドアン大統領による利下げ圧力(大統領は9月にも利下げすべきという旨を発言してきた)が意識されてリラ売り材料となる可能性もある。逆に予想を超える上昇率になると利上げ催促的なリラ売りの可能性も出てくるので悩ましいところだ。

21時半には米8月雇用統計がある。非農業部門就業者数は75万人増と予想されており7月の94.3万人増から伸びが鈍化すると見込まれている。先行して発表されたADP民間雇用報告では民間部門で37.4万人増と予想を大幅に下回ったために今晩の雇用統計本番もさえない内容と見込んでドル安が先行している印象だ。雇用時計にはサプライズも付き物のため、ドル安加速か、ドル高再燃か、内容次第では大きな反応になると注意し、特にドル高反応の場合はこれまでのドル安リラ高がいったんピークアウトして大きな修正を強いられる可能性もあると注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月31日夜の急伸で8月26日夕高値と30日夕高値によるダブルトップラインを超えたために9月1日午前時点では8月31日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして9月2日午後から6日夕にかけての間への上昇を想定した。1日夜へ一段高したところからいったん下げて再び上昇したものの高値更新に至らずにいるので、すでに1日夜高値でサイクルトップを付けた可能性もあるところだ。このため13.20円以上での推移中は3日夜から週明けへの一段高余地ありとするが、13.20円割れからは弱気サイクル入りとして3日夕から7日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月31日夜の急伸で遅行スパンが好転、先行スパンも突破したがその後は新たな高値更新へ進めずにいるため遅行スパンは実線と交錯している。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は31日夜から1日夜への一段高に際して指数のピークが切り下がり気味の弱気逆行がみられ、その後もピークが切り下がっているので下落基調にある。60ポイント超えへ反騰できないうちは一段明日警戒として30ポイント割れを目指すとみるが、60ポイントを超える反騰を見せるところからは上昇再開として70ポイント超えを目指すとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.20円を下値支持線、13.32円を上値抵抗線とする。
(2)13.20円以上での推移中は一段高余地ありとし、13.32円超えからは13.30円台後半(13.35円から13.40円)を目指すとみる。13.37円以上は反落注意とするが、13.20円以上での推移なら週明けも高値試しを続けやすいとみる。
(3)13.20円割れからはいったん下落期に入るとみて13.10円台前半への下落を想定する。13.13円以下は反騰注意とするが、13.20円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月03日
 16:00 8月 消費者物価 前月比 (7月 1.8%、予想 0.6%)
 16:00 8月 消費者物価 前年同月比 (7月 18.95%、予想 18.7%)
 16:00 8月 生産者物価 前月比 (7月 2.46%)
 16:00 8月 生産者物価 前年同月比 (7月 44.92%)
 20:30 外貨準備高(グロス) 8/27時点 (8/20時点 681億ドル)
9月09日
 20:30 外貨準備高(グロス) 9/3時点
9月10日
 16:00 7月 失業率 (6月 10.6%)
9月23日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 19.00%)



※ポイント要約は編集部

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