NZ/円、短期トレンドは“NZ弱気”中期トレンドも変化する可能性が点灯中。
週初に発表された中国の経済指標が弱い内容であったことや、オーストラリアの大都市でのロックダウンが長引く可能性が高くなったことから、豪ドル売りが強まる中、NZドルも連れ安となりました。また、18日にはNZ中央銀行が政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を現行の0.25%に据え置くことを決定しました。感染者が拡大傾向を示したことから利上げが見送られたものですが、マーケットは景気の回復基調が順調なことから0.25%の利上げを予想していたため、失望感からNZ売りが加速しました。テーパリングの早期開始観測が根強いアメリカとの景況感格差もあり、NZドルは対ドル、対円で下落基調を強めています。
チャートを見ると、日足は8/11に付けた77.93を直近高値として上値を急角度で切り下げています。この間に8/17の日足が76円台を割り込んで短期トレンドが“NZ弱気”に変化しています。74.00-10,73.60-70に強い下値抵抗がありますが、73.50割れで終えた場合は中期トレンドも変化して一段の下落リスクが生じます。日足の上値抵抗は75.40-50,75.80-90,76.60-70に、下値抵抗は74.60-70,74.00-10,73.60-70にあります。21日、120日、200日移動平均線は76.75,77.73と76.46に位置しており、収束し始めていたこれらを全て下抜けて、短期トレンドは“NZ弱気”に変化しています。
一方直近の週足は、寄せ線で終えていますが、この足が5月に付けた80.18を基点として上値を切り下げて来たレジスタンスラインにぶつかっており、上値トライに失敗した影響が強い形で越週しました。今週はアメリカの早期テーパリング観測や、国内での新型コロナウィルスの感染拡大の可能性に下落してスタートしており、この間に短期トレンドにも変化が生じています。74.00-10には週足ベースでみた強い下値抵抗が控えていることや、62週移動平均線が74.23に位置しており、74円は本来なら簡単には下抜けないところですが、短期トレンドが変化して日が浅いことや、週足の形状が悪化しており、一段の下落リスクにより警戒が必要です。
また73.50-60の抵抗を下抜けて越週した場合は、中期トレンドも変化して一段の下落リスクが生じます。週足の上値抵抗は76.00-10,77.20-30に、下値抵抗は74.00-10,73.50-60にあります。全て下抜けて越週した場合は72円方向への一段の下落リスクが生じます。31週移動平均線は77.35にあり、この下に入り込んでおり短期トレンドは“NZ弱気”の流れにありますが、62週線は74.23に位置しており、短期的な下値抵抗として働く可能性を残しています。但し、73.50-60の抵抗を下抜けて越週した場合は、中期トレンドも“NZ弱気”に変化します。
8/19現在、31週移動平均線は77.35にあり中期トレンドに変化が生じ始めているが、62週線は74.23にあり下値抵抗として働く可能性がある。
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