ドルのじり高続く、短期レンジの上抜けの可能性も(8/10夕)

10日の東京市場はドルが小じっかり。本日も値動きは20ポイント未満と極めて緩慢な相場だったが、ドルは直近の戻り高値を一時更新している。

ドルのじり高続く、短期レンジの上抜けの可能性も(8/10夕)

ドルのじり高続く、短期レンジの上抜けの可能性も

〇ドル円、積極的な動意が乏しい中で110.40へとわずかに値を上げ直近の戻り高値110.35を更新
〇本日東京時間に日米首脳の電話会談が実施、「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ連携すると確認
〇本日発表の4-6月期非農業部門労働生産性速報やクリーブランド連銀総裁の講演内容に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.00-110.90
〇フィボナッチの110.55や110.69の攻防に注目、超えても110円台に抵抗多く111円台回復は遠いか

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが小じっかり。本日も値動きは20ポイント未満と極めて緩慢な相場だったが、ドルは直近の戻り高値を一時更新している。

ドル/円は110.30-35円で寄り付いたものの、積極的な動意は乏しい。ただ、そのなかでも110.40円レベルへとわずかに値を上げ、ドルは直近の戻り高値110.35円を一時更新した。ゴトー日仲値不足など需給要因も一部で取り沙汰されていたようだ。ただ高値を示現後もドルは底堅く推移、16時現在では110.35円前後を維持したまま、欧米市場を迎えている。
なお、昨日「4月初旬以来の安値を示現」したユーロ/ドルも冴えない。やはり全体的には小動きだったが、前日安値を再び下回る局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日米関係」と「米中の対立」について。
前者は、訪米中の「秋葉国家安全保障局長がブリンケン米国務長官と会談」し、引き続き連携していくことを改めて確認したという。そうしたなか、本日東京時間に日米首脳、菅首相とバイデン米大統領の電話会談が実施されている。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて緊密に連携していくことが確認されたほか、会談の途中からジル夫人も参加。自身が開会式に参加した東京五輪の成功に対して祝意が表明されていた。
対して後者は、海洋安全保障に関する安全保障理事会の会合で、米国務長官が「南シナ海での中国の行動はいじめ」などと発言したことに対し、中国国連次席大使は「米国こそが南シナ海の脅威」と反論した。引き続き両国間の対立は顕著なままだ。そうした環境下、米韓両軍が危機管理参謀訓練を開始した反面、中露も合同軍事演習をはじめるなど、軍事面でも「米国vs中国」といった感のキナ臭い動きが観測されていることは気掛かり。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は大きな意味で依然としてレンジ内だが、ここ数日はじり高。本日東京でも、前述したように直近高値を更新している。ドルはこのあとも続伸し、フィボナッチポイントにあたる110.55円レベル、そして短期のレンジ上限である110.69円を超えていくことができるのか否かにまずは注目だ。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。本日は市場の関心の高い米経済指標の発表が見当たらないが、予定されているクリーブランド連銀総裁などの講演には一応要注意。また、昨日小緩んだとはいえ依然として高原推移の続くNYダウなどの米株、ならびにデルタ株の感染拡大が止まらない新型コロナに関するニュースにも引き続き注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で110.40円台を一時示現。7月26日以来の高値となる。そんなドルの次の上値メドはレンジ上限の110.69円だが、フィボナッチでは年初来高値111.66円を起点とした下げ幅の61.8%戻しにあたる110.55円に注目。ちなみに、後者の76.4%戻しは110.95-00円となる。110円台にも抵抗は多いが、リスクという意味では上方向に依然としてバイアスがかかりそうだ。

一方、本日は米経済指標として、4-6月期非農業部門労働生産性速報などが発表されるほか、米財務省による3年債の入札が実施される見通しだ。そのほかクリーブランド連銀総裁などの講演や、1兆ドル米インフラ投資法案の米上院採決が現地時間午前11時に行われる見込みとされており、それらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.00-110.90円。フィボナッチポイントの110.55円のほか110.69円の攻防にまずは注目。ただ、超えても110円台に抵抗は多く、111円台回復には時間がかかる可能性も。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の110円前後が最初のサポートか。移動平均の21日線も近くに位置するなど、なかなか強いサポートとなっている可能性も。

ドルのじり高続く、短期レンジの上抜けの可能性も

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る