ドル高再燃なるか、米株の動き要注意(8/9夕)

週明け9日の東京市場はレンジ取引。夕方に掛けて、やや円高が進行したものの値幅は20ポイント程度までと小動きにとどまった。

ドル高再燃なるか、米株の動き要注意(8/9夕)

ドル高再燃なるか、米株の動き要注意

〇本日のドル円、やや円高が進行したものの値幅は20ポイント程度までと小動き
〇ドルは対ユーロで直近高値を更新、対円を含めたドル高基調に変化なし
〇本日は6月雇用動態調査、アトランタ連銀総裁講演などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.50
〇ドル安・円高方向は移動平均の21日線が位置する109.90レベルが短期的なサポート

<< 東京市場の動き >>

週明け9日の東京市場はレンジ取引。夕方に掛けて、やや円高が進行したものの値幅は20ポイント程度までと小動きにとどまった。

前週末、東南アジア諸国連合や日米中などによるASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議が開催され、米中の鍔迫り合いが再び観測されていた。なお、コロナ禍において開催され、様々な物議を醸した東京オリンピックは無事に終了している。
そうした状況下、ドル/円は110.20円前後で寄り付いたものの、動意に乏しい。東京市場休場のなか、110.20-30円といった開店休業状態がしばらく続く。夕方に掛けて110.10円レベルへと小幅に下押しが入るも、大きくは崩れず。16時現在では110.15円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、ユーロ/ドルも全体的に小動きだったが、それでも一時1.7420ドルレベルまで軟化。4月初旬以来の安値を示現している。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、まず前述したARF閣僚会議において、米国と鍔迫り合いを演じる。参加した米国務長官が「中国の核戦力増強に深刻な懸念を表明」するなか、中国外相からは「民主や人権を表看板に掲げて他国の内政に干渉する国がある」などと米国を揶揄するコメントが聞かれていた。また、日本政府が中国に対し「漁船の尖閣侵入防止」を申し入れたことについて「日本こそ日本漁船の管理を徹底すべきだ」と逆に反発するなど、日本との対立もさらに先鋭化してきた感を否めない。

対して後者は、国営テレビが「北朝鮮で洪水、住宅1000棟以上と農地に被害」などと報じ話題に。それに対し、「金総書記が水害復旧支援を命令した」との別の報道も確認されている。そうしたなか、日経新聞は「中断している中国との貿易再開へ準備を急いでいる」と指摘、また国連報告書において「北朝鮮は経済情勢が悪化するなか、今年上半期も核・ミサイル開発を続けていた」ことが明らかになった。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週末に発表された米雇用統計が良好だったこともあり、戻り高値110.36円を示現するもその後は上げ渋り。本日アジア時間にも、同レベルを超えていくことができなかった。ただ、先でも取り上げたように、ドルは対ユーロで直近高値を更新するなど、対円を含めたドル高基調そのものに変化はないようだ。まずは、その110.36円をめぐる攻防が注視され、抜けると110.69円が次のターゲットに。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうしたなか、本日はこれといった米経済指標の発表がなく動きにくそうな雰囲気だが、予定されているアトランタ連銀総裁などの講演には注意。米金融引き締めを後押しするような発言が出ないとも限らない。また、先週末に終値ベースで史上最高値を更新したNYダウなど米株の動きにも引き続き注意が必要だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月程度推移する2円レンジにとどまっているものの、その上限である110.69円を視界内に捉えた動きとなっている。果たして、米株高継続でドルも連れ高−−などといった展開をたどるのだろうか、注目だ。レンジ上限を超えれば111円台を回復し、年初来高値111.66円も意識される。

一方、本日は米経済指標として、6月の雇用動態調査[JOLT]が発表される見込みだが、市場の関心は正直高くない。基本ノーインパクトか。アトランタ連銀総裁などによる講演、米当局者発言には注意を払いたい。また、9-10日にも米上院で1兆ドル米インフラ投資法案の採決が行われる見通しだという。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.50円。先週末に示現した高値110.36円が最初の抵抗。超えれば110.69円が名実ともに意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する109.90円レベルが短期的なサポートか。下回ると109.70円前後がターゲットに。

ドル高再燃なるか、米株の動き要注意

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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