ドル/円はレンジ割り込む、米指標に要注意(8/4夕)

4日の東京市場はドルが底堅い。109円挟みと低位での一進一退となったが、前日記録した直近安値108.88円は辛うじて維持されている。

ドル/円はレンジ割り込む、米指標に要注意(8/4夕)

ドル/円はレンジ割り込む、米指標に要注意

〇ドル円、前日からの流れで下方向へのリスク高、108.90近くまで値を崩したが夕刻には109円台を回復
〇4月安値107.48を起点とした上げ幅のフィボナッチを参考に108円半ばを下値目途にドル続落の可能性
〇本日発表の米7月ADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数、クラリダFRB議長の講演内容などに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.70-109.60

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はドルが底堅い。109円挟みと低位での一進一退となったが、前日記録した直近安値108.88円は辛うじて維持されている。

ドル/円は109.00-05円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。終日を通した値幅は20ポイントほどにとどまっている。ただ前日からの流れもあり、上ではなく下方向へのリスクが高く、一時108.90円近くまで値を崩す局面も。16時現在では109円台を回復、「行って来い」の値動きをたどると、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか発表された経済指標が良好だったこともあり、NZドルが堅調裡。対円では77円台回復と、昨日NY安値から見て1円超える上昇を記録していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「M&A絡みの話題」と「日本の政局」について。
前者は、ブルームバーグが「第一生命、豪ウエストパック銀の生保事業買収で合意近づく」と報じたほか、ロイターは「仏タレス、日立への鉄道信号事業売却で協議が進展」と指摘していた。ともに日本企業が絡む案件で、ほかにも日経新聞が「日本の大手製造業の米国投資が拡大」としたうえで、「三菱ケミカルは1000億円強を投じ、米国に自動車や塗料に使う樹脂原料の工場を建てる」と報じている。そのほか、「米ペプシコが仏プライベートエクイティに『トロピカーナ』のジュースブランドを33億ドルで売却」したことが明らかに。

対して後者は、東京オリンピックも終盤に差し掛かるなか、ゆっくりと自民党総裁選ならびに衆院選が俎上に上り始めてきた。二階自民党幹事長から「菅首相を代える意義が見つからない」と支援する意向が示されただけでなく、対抗馬のひとりと目されていた石破元幹事長も「菅首相で衆院選を戦うのもひとつの考え方」などといったコメントを発していたようだ。なお、10月には衆院議員の任期満了も迫るなか、共同通信は自民党の総裁選について、「9月29日軸に検討」と報じている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、形成してきたレンジ下限の109.06円をついに割り込んできた。昨日欧米時間に108.88円まで下落している。まだ、「しっかり」と割り込んだとは言えそうになく、昨年来の相場が「ダマシ」の多いということも気掛かりながら、基本的なリスクは下方向か。4月安値107.48円を起点とした上げ幅のフィボナッチを参考にした108円半ばを下値メドに、ドルは続落する可能性も考えられる。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。週初のISM製造業景況指数など、ここのところ発表される米経済指標は全般的に精彩を欠いているが、本日発表の米指標は果たしてどうか。7月のADP雇用統計など、まずは発表される米経済指標に注目だ。また、それとは別に最高値圏で推移するなか、調整の動きを懸念する声も多いNYダウをはじめとする米株の動きもしっかりと注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジ下限の109.06円を割り込むと一時108円台。前述した109.06円は、4月安値107.48円を起点とした上げ幅の61.8%にあたる水準で、それを下回ったことからすると、次のターゲットは76.4%戻しの108円半ばとなる。
対するドルの抵抗は、109.60円前後に位置する移動平均の90日線か。いずれにしても110円はやや遠くなったようだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」、「衆院選など日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数などが発表されるほか、クラリダFRB副議長による講演も実施される見込みだ。後者についてはテーマが「米金融政策見通しについて」とド直球ということもあり、警戒感を抱く様子も見られた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.60円。短期的には109.30-40円が弱い抵抗として意識され始めている。ただ、超えれば移動平均の90日線がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.88円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば108円半ばが意識されそうだ。

ドル/円はレンジ割り込む、米指標に要注意

ドル円日足


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