南アランド週報:『約4ヵ月ぶり安値更新後に反発。但し続伸余地は限定的か』(7/31朝)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヵ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、今週初にかけて、一時7.34円(約4ヶ月ぶり安値圏)まで下落しました。

南アランド週報:『約4ヵ月ぶり安値更新後に反発。但し続伸余地は限定的か』(7/31朝)

『約4ヵ月ぶり安値更新後に反発。但し続伸余地は限定的か』

〇今週の南ア円、週明け7.34まで下落、南ア利上げ観測後退、中国株下落、プラチナ価格軟調等が背景
〇S&Pによる南ア暴動が同国GDPを0.7%押し下げるとの分析も重石
〇その後南アでのコロナ行動制限の一部解除や、FOMC後のドル売り、南アPPI上昇等に7.54まで反発
〇南ア円、6/7ピークに下落に転じテクニカルの地合いの弱さ印象付ける
〇ファンダメンタルズも下落材料増え、南ア円反落がメインシナリオ
〇米中指標要注視、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.75ー13.20

今週のレビュー(7/26−7/30)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.47円で寄り付いた後、@南ア中銀による利上げ観測の後退(南ア中銀は先週の会合で政策金利の据え置きを全会一致で決定。一部では数名が利上げに投じると見られていたためサプライズ)や、A香港株及び中国株の急落を背景としたグローバルなリスク回避ムード、B南アフリカの主要輸出産品であるプラチナの価格の軟調推移、C南アフリカを巡る政情不安、D上記Cを背景とした国内から国外への資金流出圧力、ES&Pグローバル・レーティングによる「南アフリカで発生した暴動は同国GDPを約0.7%押し下げる」との発表が重石となり、週明け早々に、週間安値7.34円(3/29以来、約4ヵ月ぶり安値圏)まで急落しました。

しかし、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念が和らぐと(南アフリカ政府は行動制限の一部を解除)、Gハト派的な米FOMC(パウエルFRB議長が記者会見で慎重姿勢を強調)を受けたリスク回避ムードの後退や、H南ア6月生産者物価指数(結果7.7%、予想7.3%、※前年比)の伸び率上昇が支援材料となり、週末にかけては、約1週間ぶり高値となる7.54円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.52円前後での越週となっております。

来週の見通し(8/2−8/6)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヵ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、今週初にかけて、一時7.34円(約4ヶ月ぶり安値圏)まで下落しました。この間、主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線など)を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(週末にかけて持ち直しましたが、上方より一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが垂れ下がってくることを考慮すれば、ここからの続伸余地は乏しいと判断できます)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き透明感や、A南アフリカ国内の政情不安、B上記@Aを背景とした資金流出圧力、C南アフリカ中銀による利上げ観測の後退(先週の会合では政策金利の据え置きを全会一致で決定→現行の金利水準が長期間据え置かれる可能性が高まっている状態)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(買い一巡後に反落に転じる展開を想定。下値目途は200日移動平均線が位置する7.28円前後)。尚、来週は南アフリカ国内のイベントに乏しいことから(8/3に予定されている南ア7月製造業PMIのみ)、中国7月製造業PMIや、米7月ISM製造業景況指数、米7月ISM非製造業景況指数、米7月雇用統計といった米中の主要経済指標の結果に振らされる神経質な展開を想定いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65

『約4ヵ月ぶり安値更新後に反発。但し続伸余地は限定的か』

南アランド円日足

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